九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

令和とともに新病院始動 急性期の機能をさらに強化

独立行政法人労働者健康安全機構 旭ろうさい病院愛知県尾張旭市平子町北61☎0561―54―3131(代表)https://www.asahih.johas.go.jp/  今年5月1日、愛知県尾張旭市の「旭ろうさい病院」がリニューアルオープンした。労働者健康安全機構は、厚生労働省が所管する独立行政法人。旭ろうさい病院は「地域の人々と勤労者の方々に信頼される医療を提供する」を理念としている。今回、地域で唯一の公的機関として機能強化を図り、急性期への対応力を高めた。開院当初から強みとしてきた勤労者医療の分野との両輪で、さらなる地域への貢献を目指す。 ◎市内唯一の公的病院  尾張旭市の人口はおよそ8万3000人(2019年3月現在)。市民病院はなく、隣接する名古屋市守山区も含めた地域の急性期医療は旭ろうさい病院が担っている。  新病院ではさまざまな機能が強化された。設備面では新たに80列のCTを導入し、従前の設備と合わせて2台体制となった。配置は救急部門のそば。緊急の撮影への対応力の向上が狙いだ。また、1・5テスラのMRIも加わった。 7対1の急性期一般病棟250床。今年度中に4床を2対1のICUに、50床を13対1の地域包括ケア病床に転換する計画を進めている。外来での通院が難しく入院治療を必要とする高齢患者や、退院調整に時間を要する患者などの院内での受け入れに地域包括ケア病床を活用する。 病院の敷地は傾斜地となっている。高い位置にあった旧病院の玄関までは坂道となっていた。じん肺専門の医療機関として出発した背景があることから、現在も肺疾患の患者を多く受け入れる。傾斜は通院におけるネックとなっていた。 そこで、新病院は低い位置に建設。「患者の負担をどうしても減らしたかった」と宇佐美郁治院長は語る。旧病院の解体、跡地での駐車場整備などを進め、全面オープンは2020年6月を予定している。 ◎進むアスベストへの対応 白と青を基調とした院内  ほぼすべての外来をワンフロアに集約。患者の動線を短くする工夫が凝らされた。また、「分かりやすさ」も重視。例えば内科系の診療部門を「糖尿病・内分泌内科」「腎臓内科」「神経内科」などと再編し、患者が迷わずに受診できるよう配慮した。 急性期医療と並ぶ柱が「勤労者医療」の領域だ。「アスベスト(石綿)のばく露による患者への対応は引き続き重要だ」と宇佐美院長は言う。 ばく露からじん肺や肺がん、悪性中皮腫が発症するまでの潜伏期間は十数年から50年ほどと幅がある。これまでに国内の建築物などで使用されたアスベストの量から推測すると、今後も患者は増加傾向だと考えられている。 旭ろうさい病院の役割はアスベスト関連疾患の診断や治療だけではない。労災認定における行政のサポートや認定基準の改定に向けた国の研究班のメンバーとしての活動も含まれる。  受診した際にアスベストを要因とする肺がんだと気付かれず、労災の対象から外れてしまうケースも少なくない。産業医や医療機関に向けた講演会の開催などを通じて啓発にも努める。 院内にはアスベスト専用の窓口を設置。相談を受け付けており、セカンドオピニオンの立場でのアドバイスも行う。 ◎地域との一体化を図る  地域が文字通り一体となって診療に取り組む体制が理想だ。旭ろうさい病院を軸として診療所や病院が有機的に結びつき、「一つの病院の外来や病棟であるかのように」機能する環境を目指す。宇佐美院長や副院長、診療科部長らが地域の医療機関を訪ね、顔の見える関係づくりに注力しているところだ。 宇佐美郁治院長  また、行政との連携も欠かせない。自治体と密に情報を交換し、医療的な面から発達障害の子どもを支える活動にも取り組む。 病院を身近に感じてもらおうと、昨年から市民公開講座を毎月1回開いている。4月の新病院の内覧会には予想を大きく上回る市民が駆けつけた。宇佐美院長は「地域の皆さんの期待を感じている。信頼される病院として発展させていきたい」と意気込む。

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藤田医科大学病院 湯澤 由紀夫 病院長

医療、介護分野の地域連携を促進する狙いで、2017年4月に施行された制度「地域医療連携推進法人」。初めて認定された四つの法人のうち、唯一、大学病院がメンバーに加わっているのが愛知県内で事業を進める「尾三会」だ。同法人の理事を務める藤田医科大学病院の湯澤由紀夫病院長に、法人設立までの経緯や現状などを聞いた。

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橋本市民病院 嶋田 浩介 病院長

人口8万8千人、和歌山県にある橋本医療圏の中核的病院として医療サービスの充実を図ってきた。医師不足に「大リーガー医育成プロジェクト」など独自のプログラムを創設。医師数確保だけでない効果を生み出している。

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