地域のニーズに寄り添う精神科医療を展開
社会医療法人公徳会 佐藤病院 沼田 由紀夫 院長(ぬまた・ゆ…
埼玉県の浦和、大宮、与野、岩槻の4市が合併した「さいたま市」の人口は約130万人。年々増加傾向にある。その市民の健康と安全を担うさいたま市立病院が、2020年1月に新病院を開院する予定だ。現代の医療に求められている地域完結型の総合病院として生まれ変わる。
昭和初期には太宰治が入院し、その作品に登場する病院のモデルになったとも言われる。精神科医療の拠点として、遠方からも患者を受け入れ、歴史と伝統を基盤としつつ、高齢化や地域移行への対応など、現代社会に必要とされる精神科病院としての役割を果たす。
9月、高松市民病院と香川診療所が統合。「高松市立みんなの病院」として新たなスタートを切った。「高松市新病院基本構想」(2009年)で目指した2014年の開院はならなかったが、そのぶん時間をかけて、「地域の軸」として根付いていくための方向性を練り上げた。
精神科病院=閉鎖病棟」が”当たり前”だとされていた1963年。福井記念病院は、全開放型の精神科病院として設立された。その後、閉鎖病棟も開設したが、患者の人権を尊重した治療の流れが今日まで受け継がれ、積極的な地域移行にもつながっている。
自然に囲まれ「ガーデンホスピタル」と呼ばれる福間病院。「職員はすべて治療者であれ」「緑豊かなこの大地を治療の道具に」を基本理念に、先駆的な精神医療に取り組んできた。精神疾患患者が大幅に増えている今、地域で求められている役割は。