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埼玉医科大学 国際医療センター 小山 勇 病院長

埼玉医科大学 国際医療センター 小山 勇 病院長

世界基準の病院づくりで患者中心の医療を

【こやま・いさむ】
1977年東京医科歯科大学医学部卒業。社会福祉法人三井記念病院外科、米ジョンズ・ホプキンス大学外科リサーチフェロー、埼玉医科大学病院副院長などを経て、2011年から現職。

2007年に設立された埼玉医科大学国際医療センター(700床)は、包括的がん、心臓病、救命救急の三つの専門センター機能を持った急性期病院である。従来の大学病院とは異なる発想で、高度専門医療・救命救急の提供、埼玉西部地区の地域医療を担っている。

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―病院の特徴を。

 当センターの特徴は、COE(CenterofExcellence)機能、すなわち専門性に特化した医療の提供です。さらに、私たちの理念である徹底した「患者中心主義」を実現させるべく、従来の縦割りの診療科ごとの医療ではなく、横のつながりを重視した、横断的・包括的な診療体制をとっています。

 診療部門は包括的がん、心臓病、救命救急の三つをセンター化し、従来の医局制度を設けず、各診療科の医師は各領域のプロとして、いずれかの部門に参画します。各診療科に患者さんが出向く従来のスタイルではなく、患者さんにプロの集団が集まるのです。これは看護師や薬剤師など、医療に関わる他のスタッフも同様です。

 診療科、職域を超えた組織を構成することでコミュニケーションが深まり、互いの尊敬、協調性が生まれます。これが当センターの文化となり、質の高いチーム医療の実現につながっていると自負しています。

 従来の病院体制と全く異なる病院づくりを目指した結果は、手術実績(2017年時点)として、脳動脈瘤(りゅう)治療は332件で全国3位、各種がん手術も全国でトップ10に入るなどの成績で示されています。

―2015年に、国際基準の医療機能評価(JCI)の認証を取得しましたね。

 「」の名称からも分かるように、私たちはグローバルスタンダードから見て、世界第一級のメディカルセンターとして、高度な医療を提供しようという精神で取り組んでいます。何をもってスタンダードとするか。その指標となるのがJCIのシステムやプロセスです。

 審査には16の評価分野、304の基準、1218の判定項目があります。それらを患者の視点から審査して、基準を満たしていれば国際基準の医療を担保していると認定されます。当センターは大学病院で日本初の認定を受けましたが、私たちは満足していません。JCIはあくまでも最低基準であり、大切なのは常に質を向上させることだと考えています。事実、JCI認証は3年ごとの更新があり、審査で重視されるのは医療の質を向上させるプロセスなのです。

 JCI受審は、スタッフ全員の意識を高め、課題に取り組む良いきっかけとなりました。現在も更新に向けて、各部署で問題点を抽出し、改善に取り組むアクションが活発に行われています。こうした取り組みも、すべては患者さんのための医療につながっているのです。

―新たな取り組みは。

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 近年の地域連携推進に伴い、医療機関同士の患者情報の共有が求められます。しかし、私たちは患者さんに電子カルテのサマリーや画像を戻す方法もあると考えています。専用ポータルサイトに患者さんがアクセスし、それを別の医師に見せることができれば、紹介状も不要になります。実証実験を進めており、2019年内の実現を目指しています。

 地域で患者さんを見守っていくには、急性期病院であっても退院後の在宅支援にまで関わる必要があると考えています。そこで地域医療連携室では、地域の医療施設と協力して退院後も社会的支援が必要な患者さんの在宅療養をサポートしています。

 地域の介護施設との連携にも力を入れています。「何かあったら頼れる病院がある」というメッセージを患者さんに伝え、安心して地域で生活していただく。そうした患者ケアを目指しています。

埼玉医科大学国際医療センター
埼玉県日高市山根1397-1
TEL:042-984-4111(番号案内)
http://www.international.saitama-med.ac.jp/

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