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医療法人尚寿会 大生病院 寳積 英彦 理事長

医療法人尚寿会 大生病院 寳積 英彦 理事長

急性期病院の縁の下の力持ちとして

【ほうしゃく・ひでひこ】
1995年杏林大学医学部医学科卒業、2001年同大学院医学研究科博士課程修了。同大学医学部付属病院循環器内科、大生病院勤務を経て、2015年から現職。

今年40周年を迎える医療法人尚寿会大生病院は、狭山市西部地区で唯一の慢性期病院として、地域医療に欠かせない存在となっている。医療療養、地域包括ケア、回復期リハ、精神、特殊疾患の計473床を有し病床稼働率は90.8%(2018年)。積極的な医療連携を図る同地区において、質の高い慢性期医療を提供し、医療機関から高い信頼を得ている。

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―大生病院の歴史、役割について。

 私の父である先代理事長がこの狭山市に大生病院を開設したのは、今から40年前です。慢性期医療という概念がない時代に、「信頼と愛とで築く老人医療」を理念に掲げて、高齢者医療に取り組みました。その後、時代とともに地域のニーズも変わり、現在は慢性期病院として、地域医療に尽力しています。

 医療法人尚寿会としては、病院、介護老人保健施設、、訪問看護ステーション、地域包括支援センターと居宅介護支援事業所を運営しており、高齢者やその家族が地域で安心して生活できる環境づくりを目指しています

―地域における慢性期医療の役割とは。

 病院の医療機能では、当院は慢性期病院となりますが、2015年には地域包括ケア病棟(50床)を立ち上げ、重症患者を受け入れる病棟とともに、超急性期医療を除いた、それ以外すべてを受け入れる体制を整えています。今では、人工透析患者や人工呼吸器をつけた重症患者の入院なども珍しくありません

 当院がある狭山市周辺の医療機関の多くは、医療の機能分担の意識が高く、他施設との連携に積極的です。そうした環境に加え、当院の実績を認めてもらえるようになったことで、近年は周囲の医療機関と、非常に良好な関係を築くことができています。

 急性期病院は在院日数の短縮化を余儀なくされており、慢性期病院は早期受け入れを期待されます。私たちもできる限りの努力はしていますが、要望に応えられない場合もあります。それでも良い連携を続けられているのは、当院の慢性期医療に対する姿勢を認めていただいているのだと自負しています。

 重症患者を受け入れるにあたっては、スタッフの意識向上が必須です。スタッフには、「地域に慢性期医療を担う病院がなければ、急性期医療も立ち行かなくなるのだ」と、自分たちの存在意義を伝えています。

 ありがたいことに、当院には意欲的なスタッフが多く、地域包括ケア病棟開設も現場からの声を受けて実現しました。医療・福祉機関との連携の要となる地域連携室には15人のスタッフを配しています。

 患者さんからの信頼も重要です。「あの病院に行ったら何とかしてくれる」と希望を持っていただけるよう、スタッフ全員で日々研さんを積んでいます。病院の充実だけでなく、やむを得ず帰宅できない患者さんのために、法人としてさまざまな機能の施設を拡充しています。多くの選択肢を提供し、安心して地域で暮らしていただくことが、法人としての使命だと考えています。

―今後の展望を。

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 近年の医療・福祉を取り巻く環境がめまぐるしいスピードで変化していることを考えると、法人の経営としては長期に目を向けるよりも、3年の中期経営計画に絞って、地に足のついた経営を行う方向で考えています。自分たちの力量を謙虚に受け止め、多様性のある個々のニーズに一つひとつ対応していくことが大切です。

 病院経営においては、近年、回復期機能を持った病棟の需要が高まっており、病棟の見直し、拡充を検討しているところです。これからも急性期病院の「縁の下の力持ち」として、地域の高齢者に対して、正しい個別医療・介護を提供できるよう、誠意をもって取り組んでいくつもりです。

医療法人尚寿会
埼玉県狭山市水野600
TEL:04-2957-1141(代表)
http://taisei.syojukai.or.jp/

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