九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

医療法人博愛会 宇部記念病院 山下 晃正 院長

医療法人博愛会 宇部記念病院 山下 晃正 院長

医療と介護ケアをつなぎ地域の高齢化を支える

【やました・あきまさ】
1992年山口大学医学部卒業、2000年山口大学大学院博士課程卒業。米エール大学血管外科研究員、周東総合病院、済生会山口総合病院などを経て、2018年から現職。

創立以来、博愛の精神を病院の理念として掲げ、地域医療を支えてきた宇部記念病院。2018年スタートした介護医療院は、先進的なモデルとして全国から注目を集めている。昨年10月に就任した山下晃正院長に病院の取り組みと展望、今後の抱負を聞いた。

山下院長2.jpg

―宇部記念病院の特色を。

1931年に開設され、長い歴史のある病院です。当初は急性期一般病棟250床を有する病院でしたが、時代の変化とともに慢性期の患者さんを診ることも増えてきました。

昨年60床を介護医療院に移行し、現在は病院としての許可病床が190床。これを地域一般病棟、医療療養病棟、障害者病棟と3等分しています。宇部市の中心部というロケーションで、近隣には超急性期医療を担う山口大学医学部附属病院と宇部興産中央病院があり、同じ医療圏である山陽小野田市には山口労災病院と山陽小野田市民病院という総合病院があります。

そういった病院とも連携して、いわゆるポストアキュート、サブアキュートといわれる、急性期病院からの紹介と介護施設などの患者さんを受け入れているのが大きな特色の一つです。

また、宇部市は高齢化が進行している地域でもあります。法人として早くから介護分野に注力してきた経緯があり、介護老人保健施設などの関連施設があります。各施設が連携することにより、地域住民が高齢になって介護が必要になった時に、介護サービスや老健、病院などが連携して継ぎ目のないきめ細やかな医療サービスが提供できます。

健康診断から救急、慢性期の治療、介護、在宅医療など、地域密着の医療を一貫した形で行っていることが特徴です。

―新設の介護医療院について教えてください。

介護医療院は、基本的に長期にわたって療養が必要な高齢の患者さんに対して、リハビリなどの必要な医療と介護、日常生活のお世話、状況によっては看取(みと)りまでを行う施設です。昨年春、診療・介護報酬同時改定で新設されたもので、将来的に現在の介護療養病棟の受け皿となる施設として全国で開設が進められています。当院では15年前に6、7階フロアにある介護病棟の改修を江澤和彦理事長が主導しました。この設備は現在の介護医療院の基準を満たすものです。

多床室にプライバシーを確保する間仕切り、個浴に対応したひのき風呂、食事やコミュニケーションのためのリビング、左右どちらからでも入れるトイレなど、尊厳の保持と一人ひとりの自立支援を考えた設備があります。

共通しているのは、施設側の都合に患者さんが合わせるのではなく、患者さんにとって良い環境を施設側が整えるという視点です。これは経験と知識を持つスタッフが病棟にいるから実現することだと感じています。

介護医療院がスタートして以来、全国から見学や視察の方が来られます。個々の症状やプライバシーに配慮するのはもちろん、施設側が患者さんの希望や価値観に沿う形でケアしていくのが理想だと私は理解しています。

―今後の抱負を。

宇部記念病院外観.jpg

前院長が37年かけて築いてきた病院ですので、まずは従来の方針を引き継いでいくことに集中したいと考えています。

地域密着型の病院としては、一人ひとりの患者さんに真摯(しんし)に向き合うことが重要だと感じています。私自身が外科の専門医だということもあり、スピード感を持った対応が信頼関係を築くキーワードだと職員にも伝えています。

 当院にはすでに職員用の保育所があります。今後も職員がモチベーションを保てる環境をつくっていきたいと思います。建物の改修、地域包括ケア病棟の開設なども含めて、地域のニーズに合う形で、進めていければと考えています。

医療法人博愛会宇部記念病院
山口県宇部市上町1-4-11
TEL:0836-31-1146(代表)
http://hakuaikai-net.or.jp/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

コメントはこちらから

メニューを閉じる