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宮崎県立宮崎病院 リハビリテーション科部長 整形外科医長 菊池 直士

宮崎県立宮崎病院 リハビリテーション科部長 整形外科医長 菊池 直士

病棟との連携強化で早期離床を目指す

【きくち・なおし】
1991年九州大学医学部卒業。九州大学医学部附属病院、福岡整形外科病院、佐賀県立病院好生館(現:佐賀県医療センター好生館)を経て、2003年から現職。

 22の診療科を有し、専門性の高い医療を総合的に提供している県立宮崎病院。そのリハビリテーション科として、さまざまな症状の患者に対応しながら、スタッフ一丸となってプログラムを提供する。リハビリテーション科部長で、整形外科医長でもある菊池直士氏に、現場運営について聞いた。

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―リハビリテーション科の特徴は。

 整形外科の2017年の手術数は、920件。それ以外の患者さんを含め、年間千人弱の急性期および重度慢性期の患者さんに対してリハビリテーションを実施しました。

 整形外科では、大腿骨頸部・転子部骨折で骨折観血的手術や人工骨頭挿入術を行う患者さんが多く、変形性股関節症や変形性膝関節症での人工関節置換術がそれに続きます。事故や労災による救急搬送も多く、四肢の骨折や脊損を含めた脊椎外傷の患者も多い傾向にあります。

 当院は、県央地区唯一のがん診療連携拠点病院であり、がん患者が多く、骨転移やがん治療の影響による運動器の機能低下に対応するリハビリにも力を入れています。また、患者さんの年齢層も小児から高齢者まで多様性に富んでいます。そのため、整形外科ではオールラウンダーとしても治療・リハビリが求められます。それぞれの疾病や状態、患者さんの特性に合ったリハビリプログラムが必要です。

 リハビリ室は、医師1人、理学療法士11人、作業療法士4人、言語聴覚士3人の19人体制で運営。まだまだ十分なスタッフ数とは言えない状況です。

 リハビリでは、機能の維持や回復を主な目的としていますが、最終的に目指すほどの機能回復がみられずに、以前よりも活動性が落ちたり障害が残ったりすることもあります。そういった場合には、心理的ダメージを受け止めきれず、心のケアが必要となる患者さんもいます。

 当院には精神医療センターが併設されており、精神科のスタッフも充実しているので、必要に応じて診療科を横断した総合的な治療を行っています。

―早期離床に向けた取り組みを教えてください。

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 リハビリは、手術の翌日または翌々日に患者さんがベッドに座る練習からスタートするのが通常。その後は、車いすに移る練習。車いすが使えるようになったら、リハビリ室でのリハビリへと移っていきます。

 当院の整形外科とリハビリテーション科では、患者さんが入院中に受ける検査や手術の予定だけでなく、術後のリハビリを含む治療計画をまとめたクリティカルパスを症例ごとに準備し、それをベースに患者さん一人一人に合った形にカスタマイズしながら、リハビリ技術の平準化に努めています。

 手術後の入院期間は、長くありません。短い期間のリハビリによって、患者さんのADLを高め、早期離床できるプログラムの充実によって、平均在院日数は着実に短くなっており、全国平均よりも短縮できている分野もあります。

 早期離床には、病棟スタッフとのスムーズな連携も大きく作用しています。限られた環境で、最大限の効果を上げるために、「患者さんに関わるあらゆるリハビリスタッフ間の情報共有、技術統一」と「病棟スタッフとの連携」に積極的に取り組んでいます。

 宮崎の高齢化率は高く、2017年度、当院の股関節骨折の患者さんの平均年齢は81・20歳。社会の高齢化と整形外科疾患の増加の関係は密接で、骨粗しょう症に伴う骨折や変形性の関節症が急増しています。

 高齢の患者さんに対しては、手術と保存療法のどちらが良いかを判断するために丁寧な診察を行い、基礎疾患についてや手術に耐えられる予備能力があるかなどを十分に評価する必要があります。認知機能にも配慮しながら慎重にリハビリを進めるよう努めています。


宮崎市北高松町5-30
TEL:0985-24-4181(代表)
http://kenritsu-miyazakibyouin.jp/specialty/rehabilitation/

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