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独立行政法人地域医療機能推進機構佐賀中部病院 浅見 昭彦 院長

独立行政法人地域医療機能推進機構佐賀中部病院 浅見 昭彦 院長

5年目 強み見極め、進める改革

【あさみ・あきひこ】
1984年福岡大学医学部卒業。社会保険佐賀病院整形外科医長、佐賀医科大学医学部(現:佐賀大学医学部)整形外科助教授などを経て、2012年から現職。

 2014年に独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)の組織へと移行した佐賀中部病院。産科・小児科の廃止や眼科の休止など、さまざまな改革を経て、現在に至る。県内最大の医療圏で中核を担う存在として、どのような経営を心がけているのか。

―JCHOになってまもなく5年。変化は。

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 社会保険病院、厚生年金病院、船員保険病院の三つの団体が一つになり、JCHOに生まれ変わったのが2014年4月のことです。そのときに当院も佐賀社会保険病院から佐賀中部病院へと名称を変えました。

 この4年間で病院経営は大きく変わりました。さまざまな改革を試みることで、当初は赤字だった経営も、黒字へと転換しました。

 例えば、整形外科は1994年に開設されたときは2人体制で、手術数は年間200件ほどでした。現在の体制になってからは年間900〜1000件の手術を実施し、病院全体の手術件数のうちの約7〜8割を占めています。医師の数が増えたことで、より多くの患者さんの対応ができるようになりました。

―経営面で意識していることは何でしょう。

 中部地域は佐賀県内で一番大きな医療圏で、佐賀大学医学部附属病院、佐賀県医療センター好生館、国立病院機構佐賀病院と大きな病院が集中しています。

 当院は、特色をしっかりと打ち出し、大きな病院と役割を分担することで、強みである部分に、集中的に資金と人材を投入できるようにしています。

 例えば、整形外科やリハビリテーション、呼吸器内科では、高度で専門的な医療を提供。それ以外の領域については、大きな病院で高度急性期の医療を担当してもらいつつ、当院ではかかりつけの開業医の先生方では対応が困難な急性期の患者さんを受け入れています。

 産科、小児科も、他院に集約する形で廃止しました。当院はもともと産科が有名で、佐賀市内でも産婦人科の受診患者数が多い病院でした。しかし、少子化によって、300件近くあった分娩取り扱い件数が120件を切るようになったのです。

 当院の他にも分娩数が多い医療機関が複数あったことから、産科を廃止し、婦人科のみとすることを決定。分娩を扱わないことで新生児を診ることもなくなるため、小児科も併せて廃止となりました。現在は、ハイリスクの出産を佐賀大学医学部附属病院と国立病院機構佐賀病院が担当しています。

 2016年には、産科の病棟だった場所を地域包括ケア病棟に変えました。在宅で療養している患者さんの急変時の受け入れや、院内での急性期の治療が終わったものの、リハビリなどが必要で在宅復帰は困難な患者さんを一時的に受け入れる場所として機能させています。今後は、高度急性期病院からの患者さんの受け入れという役割も、必要になってくるでしょう。

 病院同士のつながりを強化するために大事にしているのは、「顔の見える連携」です。医師会のドクターと当院のスタッフで年に1度、懇親会を開くほか、月に1度は医師会主催の会議に参加しています。

―これから機能を充実させようと思う分野について教えてください。

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 リハビリテーションに力を入れていきます。2019年のトピックはトヨタが開発した医療ロボット「ウェルウォーク」の導入。患者さんの体をロボットに付いているベルトで吊り、ローラー状の床で歩行訓練ができる。理学療法士は患者さんを支える必要がありません。歩き方の指導やどのような補助が必要なのか観察でき、より効率的なリハビリにつながると期待しています。

 リハビリは、今後さらに需要が増していきます。労働力人口が減る中で、人材不足を補う意味でも、「ロボット」活用の意義は大きいと考えています。

独立行政法人地域医療機能推進機構佐賀中部病院
佐賀市兵庫南3-8-1
TEL:0952-28-5311(代表)
https://saga.jcho.go.jp/

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