九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

奈良県看護協会 会長 平 葉子

奈良県看護協会 会長 平 葉子

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 あけましておめでとうございます。

 本年は、元号が変わり、新しい時代の幕開けとなります。皆さまにとって、すばらしい年となりますようお祈り申し上げます。

 年の初めにあたり、今、奈良県で問題になっている「診療報酬単価の引き下げ」について、看護職の立場から私見を述べたいと思います。

 これは、「高齢化の影響等で医療費が高騰し、それに伴う保険料の値上がりが県民の負担となっており、このまま医療費を削減できない場合、奈良県内の医療機関の診療報酬単価を1点10円から1点9円に引き下げる」というものです。

 医療機関では、「現在でもギリギリの経営状態なのに、診療報酬単価が下がるとやっていけない!」と危機感を抱く発言が聞かれます。

 労働人口が減り、財源のない中で、増大する医療費をいかに抑制するかは、国民が全員で考えていく必要があると思います。

 看護職の立場から見ますと、「医療の現場で、貴重な財源が本当に適切に使用されているのか?」と疑問に感じることが多々あります。

 例えば、「高齢者がさまざまな病院から多くの薬剤の処方を受け、飲み切れず、押し入れの中にたまっている」等という話はよく聞きます。

 また、施設に入所し穏やかな余生を送りたいと望んでおられたであろう高齢者が、医師や看護師のいない時間帯に状態が悪化し、救急車で高度急性期の病院に搬送され、高度医療が施され機械器具を装着する…など、本人の意思とはかけ離れた医療も実施されている現状があります。

 看護職能団体として、医療費の増大を阻止し、かつ、県民の健康と幸福を守るために、以下の活動に取り組んでいきたいと思っています。

① 医療や介護のいらない健康寿命を延伸する活動(健康体操・お口の健康づくり・認知症予防・禁煙・がん検診等々)に参画し力を尽くす。

② 急性期病院では、検査・治療が安全に確実に短期間で行われるように、看護の質を向上させる。

③ 厚労省からの「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」を普及し、本人の望まない高度医療の実施を回避する。

④ 介護・福祉関係施設や在宅で療養されている方の、重症化予防、感染・事故防止等に努め、おだやかな生活を維持する。

⑤ 病状悪化時は、早期にかかりつけ病院で適切な治療を受け、元の住まいの場に戻れる体制を整える。

⑥ 看取りの時期が来たら、本人の望む場所で、尊厳ある看取りを実施する。

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