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鳥取県看護協会 会長 内田 眞澄

鳥取県看護協会 会長 内田 眞澄

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 皆さま 新年あけましておめでとうございます。

 平成最後の年が明けました。今年は平成から新元号へと新時代の幕開けです。皆さまにおかれましてはいかがな年明けとなりましたでしょうか。

 今年の展望を述べます前に昨年を振り返ってみたいと思います。

 昨年も日本各地でさまざまな災害が発生いたしました。地震、土砂崩れ、豪雨、台風…などです。被災された方々にあってはいかがな新年をお迎えのことでしょうか。今年が少しでも復興の年となりますことを心よりお祈り申し上げます。そのような大変な状況の中にあって強く感じましたことは、全国の看護職者の仲間の絆の強さ深さでした。刻々と被害状況が拡大していく様にどう対応していくか、互いが互いを案じながらも自県協会でできることは何かを模索した日々でした。被災県協会の仲間が頑張っている、被災された方々が頑張っておられる、そう思いますと逆に大きな力・勇気をもらいました。日本の看護職者は一つというこれまで以上の強い絆を生み出しました。昨年の新年のご挨拶において「戌年」は「備え・蓄えの年」、「勤勉」に「努力」を重ねる一年にと願いを述べましたが、この築かれた堅い絆は、今年から始まる新たな時代の幕開けの備えとしてしっかり根付いていくものと思います。

 次に鳥取県看護協会の昨年をふりかえってみたいと思います。当協会は昨年、協会設立70周年を迎えました。1948年の設立から70年という年月を重ね、記念事業を11月17日に開催いたしました。コンセプトは「先人に感謝」とし、戦後まもなくの開設当初から今日までの「とっとりの看護」をステージ演出しました。参集した会員はもとより各方面からの来賓の皆さま方も「とっとりの看護」の歴史に触れていただくことができました。そして先人看護師から次の「とっとりの看護」を担う看護学生の皆さんに「看護の灯」の継承がなされました。灯に浮き上がった看護学生の皆さんの顔はとても頼もしく、未来の看護に安堵感を覚えました。最小の県民数の鳥取県の皆さまにお伝えしたい。「県民の皆さま一人一人が、鳥取に生きてよかったと思っていただけるよう、これからも私たち看護職は精一杯支援いたします」と。

 そしてもう一つ昨年取り組んだ事業で特に紹介したい事業があります。「まちの保健室」と「がんカフェ」です。日本全体が地域包括時代、地域で、在宅で生きる社会を目指している昨今、当協会も地域の皆さまと共に生きるを目指しています。そこで日本郵便× 鳥取県の取り組みに「まちの保健室」を開催する協定を結び、郵便局内で10月、12月と2回開催いたしました。大変好評で多くの住民の方々にお越しいただきました。日ごろ感じていること、体調不安のこと、家族への心配などなどご相談いただき、ボランティア協会会員は対応に大わらわでした。地域の皆さまの健康に少しでもお力添えができているのではないかと今後にも期待を膨らませています。

 もう一つの「がんカフェ」ですが、開設に至ったのは、入院期間の短縮の政策に伴い治療後すぐの退院、在宅生活が余儀なくされます。しかし、がんであることの受け入れ、自己の生活設計など十分できていないことも多々ある中で、生きる力を生み出すためには、さまざまな思いを話す場、語る・聴く場が必要と考えました。鳥取県はがんのり患率が第2位という現状があります。2人に1人はがんにり患の時代、がんと診断された人が生きる場は、病院ではなく生活の場です。生涯にわたりその人らしさをもって生きる、その尊い生き方を看護協会は応援したい、看護の職能の使命と考え開催いたしました。地域の皆さまに十分周知していただきご活用いただけるよう末永く取り組んでいきたいと思います。

 そして新たな年を迎え、今年も地域の皆さまの健康を願い、幸せを願い私たち協会員4300人は一丸となって取り組んでまいります。

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