九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

香川県医師会 会長 久米川 啓

香川県医師会 会長 久米川 啓
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 新年明けましておめでとうございます。皆さまにおかれましては、穏やかな新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。平素より医師会活動にご理解とご協力いただいておりますことに厚く御礼を申し上げます。

 国は2025年問題の解決に向け「地域医療構想の策定」と「地域包括ケアシステムの構築」をさらに推し進めています。「地域医療構想」に関しては、本県でも構想区域ごとの地域医療構想調整会議を「協議の場」として論議していますが、国は公的病院に対し「新公立病院改革プラン」を、公的医療機関に対しては「公的医療機関等2025プラン」の提出を求めており、民間病院や有床診療所より公的病院の病床機能分化をより進めていきたいようです。国は県に対し病院に対する指導や勧告の権限を与えるとともに、この調整会議を年4回以上開催することを要求し、開催ごとの報告を義務付け、その内容によっては「医療介護総合確保基金」の配分を調整するようなことまで言っているようです。しかしながら全国的に見ても、構想の進捗状況は低調であることから、国は調整会議の活発化を図るために「地域医療構想アドバイザー」を置くことを求め、また県全体の調整会議を開催するように通達がありました。病床機能の転換や病床削減については直接病院経営に関係することであり、容易に判断できることではありません。まして外部からとやかく言える問題ではなく、「地域医療構想」に関しては様子見ということになりそうです。

 一方、「地域包括ケアシステム」については県医師会としても積極的に推し進めてまいります。かかりつけ医を中心とする地域での医療・介護の取り組みは、今後さらに重要となります。この活性化には多職種の医療関係者ばかりでなく、地域住民や学生、ボランティアの協力が不可欠であり、今年1月13日に「香川地域包括ケアシステム学会」を発足することとなりました。これは皆さま方の協力なくしては実現不能な事業です。少なくとも、現在診療している患者さんについては、最期まで何らかの形で関係を持ち続けられるよう、近隣の医療機関や介護施設等と連携を密に取り、見守っていただきたいと思います。

 さて、昨年は日本列島各地でさまざまな災害に見舞われました。6月18日の大阪府北部地震、7月豪雨では死者数が200人を超える甚大な被害をもたらし、9月4日に上陸した台風21号は全国で観測史上最大の風速を記録し関西国際空港が孤立、さらに9月6日の北海道胆振東部地震では震度7という最大級の揺れにより土砂崩れが発生し、多くの死者が出るとともに北海道全体が「ブラックアウト」となる事象が発生しました。日本に限らず世界各地で大きな災害が発生しており、世界規模の気象の異変が起きております。すべての人々が危機意識を持ち、互いに助け合う心を持ち続けることが何より大切です。

 今年4月をもって天皇陛下が譲位され、新しい元号に変わります。これを機に我々も新たな出発点として国民の健康保持に向け取り組んでいかねばなりません。医療の本分は、「病気を治す」ことだけでなく、「患者さんがその人らしく人生を全うするのを助ける」ことにあります。医師会としてもその本分を忘れることなく医療に向き合ってまいりますので、皆さま方の変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。今年が皆さまにとりまして良い年でありますよう、祈念致しまして新年の挨拶とさせていただきます。

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