九州医事新報社 - 地域医療・医療経営専門新聞社

山口大学 学長 岡 正朗

山口大学 学長 岡 正朗

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 新年明けましておめでとうございます。穏やかな新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

 山口大学は1815年に設立された私塾「山口講堂」を創基とし、200年以上の経過の中で、明治維新を含め多くの歴史が生まれ、その改革精神を山大スピリットとして受け継ぎ、地域とともに、時代とともにさらに発展するために大学改革に取り組んでいます。山口大学独自の研究開発では、「先進科学・イノベーション研究センター」に9研究拠点を所属させ、特許取得、URA、研究費等の重点支援を行っています。

 中でも、医学領域の研究は遺伝子診断やがん免疫療法などの産学官連携の具体的成果が生まれており、「AIシステム医学・医療研究教育センター」ではビッグデータを用いた新たな診断治療の開発が進んでいます。医学部では産学官連携の拠点機能を持つ第2総合研究棟が3月に完成します。附属病院では、さらに高度で安全な医療を提供するために「Your Health, Our Wish(あなたのために)」をスローガンとして再整備を進めており、 新病棟が6月に稼動予定です。教育・研修戦略、研究開発・先進医療戦略、地域医療推進戦略、病院基盤強化戦略を掲げて、地域に最先端医療を提供します。地上14階、地下1階の免震構造で、屋上にはドクターヘリのヘリポートが設置されます。新病棟のポイントは高度急性期医療の充実です。1階には先進救命救急センターを設置し、20床すべてがICU機能を備え、CT、血管造影装置も設置します。3階には集中治療部、輸血部、病理診断科が入り、ICUは現状の12床から16床へ増床します。4階の手術室には、血管造影装置を備えたハイブリッド手術室を整備、MRIも設置し、12室から16室に増えます。高度急性期医療のもう一本の柱となるのが、6階の総合周産期母子医療センターで、GCUは8床から12床に増床し、より多くの重症な妊産婦、新生児の患者さんの受け入れが可能となります。6階から12階は入院患者さんのフロアで、職員の動線の短縮化、見通しのよいオープンスペースのスタッフステーションの設置などが特徴であり、「見守りハイケア病棟」と名付けています。また、さまざまな場所に配置されたホスピタルアートや癒やしの庭は心を癒やし、演奏会などが開催されるオーディトリアムは大規模災害時のトリアージスペース等にも活用できます。

 医学関係では新たな第一歩を大きく踏み出す年になります。特徴ある教育研究を全国に、世界に発信する大学として、さらに発展する所存ですので、絶大なるご支援をお願い申し上げます。

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