皆さま、新年おめでとうございます。産業医科大学病院の近況をお知らせいたします。医生ケ丘地区大学病院の2017年度ですが、外来患者数は1日平均1312人、入院患者数は平均578人・年間入院総数1 万5696人で、年間手術室稼働数は6851件でした。昨年は大学病院においてダビンチ手術を始めました。泌尿器科における前立腺がんに対する手術で開始し、その後肺がん・消化器がんへの手術も順調に始まっています。トラブルもなく成績も良好で、手術数が増えてきています。また、本学の使命は産業医学への貢献です。就労と治療(診療)の両立支援が国策として推進されています。当院では就学・就労支援センターに加え、全国初の診療科「両立支援科」を2018年1月に設置しました。当院には産業医有資格・経験者が200人前後はいると思われ、日本で産業医経験医師が圧倒的に多い病院です。そのため他施設でも見られるコーディネーター中心の両立支援に加え、産業医経験医師がコミットする質の高い両立支援が可能です。当院の産業医が診療科長となり各診療科医師も加わり、きめ細かい両立支援を行っています。若松病院の外来患者数は1日平均399人、入院患者数は平均121人・年間入院総数3266人で、年間手術室稼働数は1482件でした。全般に頑張っていただいていますが、スポーツ整形外科で特に活動が高く、全国から若手医師が勉強に集まっています。他診療科も立地条件や医師不足の中、とても貢献していただいています。
産業医科大学は1978(昭和53)年4月に開設され、1979年7月から産業医科大学病院での診療が開始されました。病院は築39年となり、施設の老朽化・狭隘(きょうあい)化が進んでいます。南別館新築を開始し、2019年6月に稼働開始します。延べ床面積6000㎡で(本館は4万9690㎡)、放射線治療や病棟・外来・医学教育等に使用します。その後本館の耐震工事、そしていよいよ急性期診療棟(2万2000㎡)の増築(新築)です。2023年4月に稼働を開始します。急性期診療棟には現在はない設備(ハイブリッド手術室・産業医学臨床センター等)を作り、手術室も増やし( 12→17室)、地域の医療需要に十分応えるものとなります。
上述しましたように現在の産業医科大学病院は、開院以来の第二創成期を迎えています。しかし、遠くを見るばかりでなく、日々の診療・教育・医療安全を行っていくことが最優先です。当院の理念「患者第一の医療」「安全かつ質の高い医療」「人間愛に徹した医療人の育成」を根幹として、地域に欠かせない病院、職員や卒業生の誇りとなる病院となることにチャレンジします。