九州医事新報社 - 地域医療・医療経営専門新聞社

福岡大学病院 病院長 井上 亨

福岡大学病院 病院長 井上 亨

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 明けましておめでとうございます。皆さまにおかれましては、幸多き新年を迎えられましたこととお慶び申し上げます。

 福岡大学病院の病院長を拝命して4年目を迎え、こちらに年頭所感を書かせていただくのも4回目となりました。日々、慌ただしく過ごしておりますが、病院長としての3年間は貴重な経験であり病院の管理者として多くのことを学ぶことができました。

 政府の方針により当院でも医療従事者の働き方改革に対応するためにさまざまな改善に取り組んでいます。医師に対しては実労働時間の把握方法や宿日直勤務の在り方などを見直し、電子カルテの活用やICカードの管理方法を工夫し対策を進めています。また、患者さんの理解を得てインフォームドコンセントを勤務時間内に実施するように変更したほか、昨年10月からは土曜日の外来診療を休診するなど業務軽減を図っています。また、時間外労働が月60時間以上となる医師については、産業医、副病院長が面談し、メンタル面を含めたケアと併せて時間外労働を縮減するための指導を行うとともに、当該診療科の診療部長に対しても状況を報告し改善を求めています。医師の働き方改革については、「医師の働き方改革に関する検討会」でも賛否両論はありますが、医師に関しては診療業務のほか、手術手技など診療技術の向上のトレーニングや専門医を取得するための研究、論文作成などの自己研さんの時間も必要であり、これらを労働時間と明確に区別することは非常に困難ですが、優秀な医師を1人でも多く輩出できるよう努力してまいりたいと考えています。

 また、昨年は積年の課題でありました病院本館の建て替え計画がようやく決定しました。現在は、具体的な設計段階に入っており2023年の完成を目指し検討を重ねています。皆さまに特定機能病院として質の高い医療と安心安全な環境を提供するとともに災害拠点病院として、地域の医療をしっかりと支えられるよう整備していきたいと考えています。

 当院の理念である「あたたかい医療」を実践し、これまで以上に地域医療に貢献できるように努力していく所存です。本年もご支援とご協力を賜りますようによろしくお願い申し上げます。

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