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一宮市立市民病院 松浦 昭雄 院長

一宮市立市民病院 松浦 昭雄 院長

新病棟のオープンで総合的ながん医療の提供へ

【まつうら・あきお】
1980年名古屋大学医学部卒業。同大学院胸部外科(現:心臓外科)、愛知県立尾張病院、愛知県立循環器呼吸器病センターなどを経て、2015年から現職。

 尾張西部医療圏における中核病院。1936年に「一宮市診療所」として始まった歴史は、2018年10月、新病棟のオープンによって新しい一歩を踏み出した。松浦昭雄院長は「地域の先頭に立つのが私たちの役割」と語る。

―地下1階、地上6階建ての新病棟が完成。

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 10月9日に運用を開始しました。「」と「」を柱としています。

 2階は25床の外来化学療法室をはじめ、がん相談支援センター、緩和ケア診察室など、がん診療に関わる部門を集約しました。大きな窓から光が入り込む、開放的な設計です。

 3階には二つの手術室があり、1室はハイブリッド手術室です。胸部大動脈瘤(りゅう)に対するステントグラフト内挿術などの安全性も高まりました。今後は経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)の導入など、対応できる治療の幅を広げていきたいと考えています。

 もう1室には、当医療圏で初めてとなる手術支援ロボット「ダビンチ」が導入されました。泌尿器科領域での治療をスタートしており、順次、、産婦人科領域の治療にも着手したいと思っています。

 そのほか、心臓カテーテル室が2室、すべて個室のICUが8室あります。いずれのフロアも、温かみあふれる木目調のデザインが主体です。また、暖色の照明の光量を時間帯によって調節するなど、心を落ち着かせる空間をコンセプトとしました。

―がん医療については。

 当院は、地域がん診療連携拠点病院として総合的ながん医療の提供を目指しています。

 その象徴が、5階の緩和ケア病棟。14の個室で構成され、屋上には5階の患者さんが専用で利用できる庭園があります。この地域には以前ホスピス病棟があったのですが、閉鎖。苦痛を和らげる治療に対する要望が高まっていました。

 10月13日、緩和ケア病棟の開設を記念した市民公開講座で、日本で初めてのホスピスを実現した淀川キリスト教病院グループの柏木哲夫先生による講演を企画しました。

 柏木先生には「この病棟には緩和ケアに必要な明るさ、広さ、静けさ、温かさのすべてが備わっている。さらに職員の気質にもそれが当てはまる。1年後の姿もぜひ見たい」と期待のお言葉をいただきました。

 緩和ケアに関わる職員はみな、柏木先生の著書を所有しており、指針としています。「1年後に向けてがんばろう」との気持ちで、一層の自信をもって医療と向き合えるようになったと思います。

 患者さん本人の身体的、心理的な痛みを取り除くことはもちろん、ご家族が感じている心身の負担も含めて支えるのが本当の緩和ケアです。

 入院して患者さんの痛みや不安を和らげることができた場合、可能なら自宅に戻っていただく方針です。

 開業医の先生方や施設とも協力して「」を進めたい。当院がその中心となっていきたいと考えています。

―今後は。

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 2010年に愛知県立循環器呼吸器病センターと統合するなど、3次救急医療機関としての機能強化を図ってきました。地域包括ケアシステム構築の中で、新病棟を軸に高度急性期医療をけん引していきます。

 地域連携については、さまざまな改善の余地があると見ています。当院と地域の医療機関という関係をさらに深め、これからは「各診療科と地域の連携」も強固なものにしていきたい。緩和ケア病棟の新設は、取り組みを後押しするきっかけにもなると思います。

 当院の理念にもあるように「地域の皆さんに愛され、信頼され、期待に応えられる病院を目指します」を実践していくことに尽きると思います。地域の先頭に立ち、皆さんに貢献できる病院でありたいですね。


愛知県一宮市文京2-2-22
TEL:0586-71-1911(代表)
https://municipal-hospital.ichinomiya.aichi.jp/

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