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【対談】社会医療法人共愛会 下河邉 智久 理事長/社会医療法人共愛会 戸畑共立病院 明石 英俊 総合診療外科系顧問・血管外科部長

【対談】社会医療法人共愛会 下河邉 智久 理事長/社会医療法人共愛会 戸畑共立病院 明石 英俊 総合診療外科系顧問・血管外科部長

診療の最前線で挑む!血管外科の価値向上へ

【しもこうべ・ともひさ】
1972年久留米大学医学部卒業、同第二外科学入局。1998年から現職。北九州市医師会会長。
【あかし・ひでとし】
1982年久留米大学医学部卒業、同第二外科学入局。1989年医学博士。独ハノーバー医科大学心肺移植センター留学、久留米大学医学部外科学講座教授などを経て、2018年から現職。

 「教育機関としての力も高めていきたい」(下河邉智久理事長)。戸畑共立病院の総合診療外科系顧問・血管外科部長に就任したのは、久留米大学外科学講座教授を務めていた明石英俊医師。「足の外来」などの取り組みをスタートさせ、2022年には、会長を務める「第50回日本血管外科学会学術総会」が控える。理事長と明石部長、2人の思いは―。

どこを受診したらいい?そんな患者の窓口に

―戸畑共立病院の診療体制が強化されました。

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下河邉智久理事長

下河邉智久理事長(以下、理事長) 明石先生や今村鉄男先生(戸畑共立病院院長)と私は、久留米大学の先輩・後輩の関係。バレーボール部で一緒に汗を流した仲間でもあります。

明石英俊血管外科部長(以下、部長) 久留米大学で36年間を過ごしたのち、2018年4月、当院の一員となりました。もともと30年間ほど、週に一度、ここ戸畑共立病院で外来を担当していました。

 大学病院と民間病院では役割が異なります。私としては、もっとさまざまな挑戦ができるのではないかと考え、大学を離れることを決めました。

理事長 困っている患者さんのために、ぜひ最前線で力を発揮してほしいと思っています。

部長 「血管外科」による「足の外来」をスタートさせた大きな理由は、「私たち血管外科の存在が、世の中にまだまだ知られていないのではないか?」と考えていたからです。

 「足に違和感や痛みがある」という患者さんが多くいます。さまざまな原因が考えられますが、患者さんには見当もつかないわけです。医師に対して「足がなんだかおかしいのです」としか伝えることができないでしょう。何日も病院に通い、さまざまな診療科を回ったが、結局はよく分からなかった。実はそんな方が少なくないのです。

理事長 結果的に、患者さんの金銭的な負担が大きくなったり、「飲む必要のなかった薬」の服用が増えたりといった問題も起こっています。

部長 血管外科と聞いてもどのようなことをやっている診療科なのか、よく分からないという患者さんが多いでしょう。そもそも足の痛みと血管の疾患が関連しているとは、なかなか想像できないと思います。

 そこで「足を診ます」と明確にお伝えすれば、患者さんは「とりあえずここで診てもらおう」と考えてくれるはずです。

 、内科など、足の痛みに関わる診療科は複数あります。私が診察して血管に原因があるのなら、血管外科で対応します。そうでない場合は、しかるべき診療科につなぎます。適切に振り分けることで患者さんに早く、必要な医療を届けていきます。

 国も、足の健康を維持して、できるだけ自立した生活が可能な人を増やすことを目指しています。これから「足の外来」は、さらに求められていく領域だと考えています。

2022年の学会は重要な意味をもつ

―理事長が明石先生に期待することの一つは、やはり人材の育成ですね。

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明石英俊血管外科部長

理事長 「血管外科を見学させてください」という大学院生などの問い合わせも増えています。若い医療者の関心も高まっていると感じますので、戸畑共立病院が血管外科医の育成をけん引していける環境を整えたいですね。「教育機関」としての力を高めていくことが、今後の戸畑共立病院の大切な役目の一つだろうと思っています。

部長 医師が何もかも治せるわけではありません。私たちにできるのは「治りたい」と頑張っている患者さんの背中を押すことです。ここまで治療すれば、あとは自分の力で日常生活を取り戻すことができる。そんな段階までしっかりと寄り添うのが、外科医のあり方だと思います。若い医師や患者さんに、私が常々伝えてきたことです。

理事長 技術をただ磨き続けるだけでなく、患者さんの気持ちを理解し、「人を支える」という視点を明石先生から学び取ってほしいですね。

 そして、民間の病院にも大きなことができるんだというメッセージを発信していきたい。そのいい機会となるのが、明石先生が会長を務める学会です。

 全国規模の学会を、私たちのような一つの「社会医療法人」が中心となって開催するわけですから、注目度も高いと思います。他の医療機関にもいい刺激を与えられるような内容にしたいですね。

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部長 2022年5月、北九州市で開かれる「第50回日本血管外科学会学術総会」です。各地から2000人ほどの血管外科医が出席する見込みです。

 テーマのイメージは「血管外科の醍醐味」。「醍醐」とは「最高においしい食べ物」を表す、はるか昔から伝わる言葉です。今回の学会は、血管外科の本質や魅力を広く伝えることのできる場にしたい。そんな思いを込めました。

 血管外科の価値を見いだしてもらういいチャンスだと捉えています。重要な意味をもつ学会です。

社会医療法人 共愛会 戸畑共立病院
福岡県北九州市戸畑区沢見2-5-1
TEL:093-871-5421(代表)
https://www.kyoaikai.com/kyoritsu/

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