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医療法人七徳会 大井病院 中薗 紀幸 院長

医療法人七徳会 大井病院 中薗 紀幸 院長

患者側の視点に立ち苦しみ、痛みに対処する

【なかぞの・としゆき】
1989年宮崎医科大学医学部(現:宮崎大学医学部)卒業、同脳神経外科入局。社会医療法人青雲会青雲会病院、宮崎県立日南病院などを経て2013年医療法人七徳会大井病院、2016年から現職。

 鹿児島県姶良市の大井病院。鹿児島市のベッドタウンとして発展する一方で高齢化も確実に進むこの街で、今日も救急を担い、患者の命に向き合っている。

―高齢化に伴い脳血管疾患が増えていると聞きます。

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 脳血管疾患は、基本的に動脈硬化が深く関わっています。一番の原因は加齢です。長生きするということは、血管の病気を引き起こす危険性が高まるということです。今後、ますます高齢化が進むことで動脈硬化の方も増えていきます。脳血管に限らず心臓など血管の病気はますます増えていくと思います。

 高齢化に付随する形で脳血管障害を進めてしまうのが高血圧、糖尿病、高コレステロールといったいわゆる「生活習慣病」です。私は脳外科が専門で、頸動脈の超音波検査をかなり以前から実施。動脈硬化の進行度合いを調べてきました。

 脳ドックも推進していますし、検診や外来でも、生活習慣について注意を促しています。血圧や血糖、コレステロールのコントロールも、内科とともに取り組んでいます。

 この地域の現状で言えば、今は圧倒的に脳梗塞が多くなっています。かつては、世界に比べて脳出血が多かったのですが、血圧を下げる治療が確立でき、今はむしろ、少なくなっています。

 脳血管疾患に関する地域連携で言うと、姶良地区の医師会の取り決めで、脳外科の輪番制が敷かれ、隣町にある青雲会病院と当院が交代で診るシステムがとられています。

 また、姶良市内に1軒ある脳神経外科クリニックの先生が診て入院が必要ということであれば、随時紹介をいただいて、入院で経過を診る。他の診療科の開業医の先生が診て「これは脳疾患が疑わしい」という患者さんに関しては、紹介状を持って、当院を受診されるケースが多いですね。

―先生が考える「必要とされる病院づくり」とは。

 常に患者さんの側に立てる病院です。

 患者さんやご家族は、やはり苦しかったり痛かったり悩んだりされているわけですから、それに誠実に対応することが欠かせない。「時間外に急に体調が悪くなって、どこにも行くあてがない」と苦しまれる方を出さないように、「大井病院に行けばいつでも診てもらえる」と思っていただけるように。それが、われわれに求められていることだと思います。

 当院は、時間外のウオークインの患者さんが多いことが一つの特徴です。電話を入れてから来院される方、電話なく駆け込んでこられる方…。さまざまな方がいますが、困っている方を可能な限り受け入れたい。もちろん、まだ十分にはできていない部分もありますが、「断らないでほしい」と常に職員に伝えています。

―2020年完成の予定で新病院建設計画を進められています。進捗は。

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 基本設計はほぼ終わりました。現在の病院と新病院の最も大きな違いは、院内の配置。現病院は増築を重ねてきたため、動線が悪い。新病院は効率性を考慮した造りで、救急部門をコンパクトにまとめて配置する計画を立てています。

 ヘリポートも新設する予定で、住民説明会を開いて地域の理解を得ていきたいと思っています。ヘリポートができれば当院での治療が難しい症例でも、処置を施しながら鹿児島市内の高度急性期病院にヘリで送ることができるようになる。「命を守る」「後遺症を軽減する」という意味で、ヘリが果たす役割は大きいと考えています。

 また、新病院移行後に、循環器部門を充実できたらと考えています。現在、当院に搬送されてくる患者さんの中に「うっ血性心不全」の方が増えています。回復後には、リハビリが必要になりますし、設備をしっかりと整える必要もある。心不全の患者さんに対応できる体制をつくることが、地域のニーズでもあるととらえています。


鹿児島県姶良市加治木町本町141
TEL:0995-63-2291(代表)
http://ooihp.jp/

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