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社会医療法人 原土井病院 小柳 左門 病院長

社会医療法人 原土井病院 小柳 左門 病院長

長く受け継がれる”尊厳を守る”という思い

【こやなぎ・さもん】 1973 九州大学医学部卒業 同循環器内科入局 1979 米アイオワ大学研究員 1994 国立病院九州医療センター循環器センター長 2005 国立病院機構都城病院院長 2013 原土井病院病院長

 特別養護老人ホームや歯科など敷地内外に約30の施設を有する原土井病院グループ。健康寿命を延ばすための地域住民へのサポート、認知症患者向けのケアなど、これまでの同院の取り組みについて小柳左門病院長に話を聞いた。

―健康増進の取り組みについて教えてください。

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 当院は医療機関ですので、患者さんの「治療」が第一優先です。しかし、それと同時に「予防」の観点も欠かせないと考えています。

 日本人の寿命と健康寿命の間には、10年ほどの差があります。患者さんはそのおよそ10年、病気と付き合いながら生活しなければなりません。「その期間をできるだけ短くしたい」「できればさらなる病気の発症や重症化を予防したい」というのが私たちの願いです。

 そのための取り組みの一環として、15年ほど前に健康増進施設「メディカルフィットネスあおば」を院内に設置しました。生活習慣病など病気がある方だけでなく、疾病予防・健康増進のためにも、ジムのように使っていただけます。理学療法士が、それぞれの利用者に合うトレーニングプランを作成することが特徴ですね。

 生活習慣病の改善や予防には、食事療法も欠かせません。「メディカルフィットネスあおば」の利用者は、院内の食堂で栄養管理された食事が取れるようにもなっています。

―認知症の方へのケアの際に心がけていることは。

 当院では、20年ほど前から「拘束しない医療」を実践しようと努めてきました。日本で最も早く開始した病院の一つです。

 それまでは、ケアをする際、患者さんをベッドや車いすにしばり付けることがありました。「患者さんの安全のため」という理由もあったでしょう。しかし、拘束することによって逆に大声をあげたり、暴れてしまったりする人もいた。患者さんが苦しむ様子を見て 「拘束せずにケアしたい」と考えたのが始まりです。

 最初は、スタッフも大変だったと聞いています。認知症の症状が進んでいる方など、どうしても安静がとれない人もいたからです。

 それでも、あきらめず、みんなで協力して、拘束せず見守りながらケアする方法をとり続けました。すると、次第に慣れてきて、スタッフが患者さんに上手に対応できるようになっていきました。患者さんの体を押さえつけなくなったことで患者さんの感情も安定する。スタッフにとっても患者さんにとっても喜ばしいことです。

 さらに2年ほど前からは高齢者や認知症者のために考案された包括ケアメソッドの一つ「ユマニチュード」を本格的に取り入れています。「ユマニチュード」とは、「人間らしさ」を表すフランス語。介護が必要な状態になっても、人間らしさを尊重した対応をするのが特徴で、当院で取り組んできた「拘束しない医療」と、根本的な考え方は同じです。

 全国に広がりつつあるケア方法で、九州では当院が先駆け。この方法が、提供するケアの質の向上と、家族や介護者の負担軽減につながればと考えています。

―貴院の役割は。

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 これから高齢化がさらに進み、認知症の方も増えていきます。認知機能の低下と身体疾患を合併した患者さんに十分な治療とサポートをしようと考えた時、病院だけで対応するのは難しくなるでしょう。地域の方々と一緒に解決していく「地域包括ケアシステム」の構築が何より大切です。

 この地域でも以前から、九州大学病院や東区医師会、当院などがネットワークをつくり、「地域完結型医療」を実現する努力を続けてきました。自治体とも一層密に連携を図っていきたいですね。この地域の方々が健康的な老後を迎えられるよう、公民館を活用した講演活動や転倒予防のための運動教室なども開き、市民の方にアプローチしていきたいと思っています。


福岡市東区青葉6-40-8
TEL:092-691-3881(代表)
https://www.haradoi-hospital.com/

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