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国立病院機構 鹿児島医療センター 田中 康博 院長

国立病院機構 鹿児島医療センター 田中 康博 院長

医療機能を引き受けウィークポイントを補完

【たなか・やすひろ】 1983 鹿児島大学医学部卒業 同附属病院第二内科入局 1991 米ワシントン州立大学メディカルセンターリサーチフェロー 2007 国立病院機構指宿病院(現:指宿医療センター)診療部長 2009 同院長 2017 国立病院機構鹿児島医療センター院長

 地域で求められる医療の提供を目指し、2018年4月、鹿児島逓信病院の医療機能を引きついだ国立病院機構鹿児島医療センター。医療提供体制再構築の先駆者となりうるか。

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―医療機能移転による院内の変化は。

 鹿児島逓信病院の全50床のうち、40床を当院に移し、全410床に増床。残り10床を返還したことで地域医療構想で過剰になると推計されていた急性期病床の削減にも貢献しました。

 また、消化器内科に肝臓内科部門を新設。逓信病院から、肝臓を専門とする医師が移り、IVR-CTを移設したことで、肝がんに対する肝動脈塞栓療法も可能になりました。

 これまで、当院の消化器内科は胃や大腸といった消化管が中心でした。肝胆膵部門を充実させることで、消化器部門強化の第一歩になればと考えています。

―統合がスムーズに進んだ背景は。

 2013年に策定された鹿児島県保健医療計画には「地域の医療機関を集約することで、既存の医療機関を強化し、高度医療が提供できるようにする必要がある」といった主旨のことが書かれています。

 鹿児島医療センターについても、2013年設置のセンター運営協議会で、病床数増や他病院との統合・再編が提言されました。

 鹿児島逓信病院側も、母体である日本郵政が、一部病院の売却方針を固めていました。県の医療行政、、日本郵政の意向が合致していたことが、大きな理由だと思います。

 そのほか、5年以上の年月をかけたこと、日本郵政、国立病院機構ともに、もともと国の機関で給与体系などが似ていたことも、順調に進んだ要因だったのではないでしょうか。

―今後の目標は。

 当院の強みは、「心疾患」「脳卒中」「がん」です。がんは、頭頸部がんや皮膚がん、血液腫瘍を得意としていますが、今回の合併で強化のきっかけをつくった消化器部門が、当院の一翼を担うまで成長してほしいと期待しています。

 同時に「」になりたいと思います。患者さんから「鹿児島医療センターで治療したい」と言われる病院を目指したいですね。技術を含めたさまざまな部分の教育にこれまで同様、力を注いでいきたいと思います。

 当院では、自発的なものも含めて、勉強会や研究会が非常に多く、開かれています。臨床研究を活発にするなど若い人が育つ環境をつくり、良い医療人を養成することや、育った医療人が他の医療機関や地域に行って活躍することを目指す雰囲気が病院全体に醸成されてきています。

 今後は、病院の建て替えも視野に入れたいですね。高度急性期医療をもっと機能的に提供しうるハードを整備できればと考えています。

―これからの地域医療について。

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 この病院への赴任前は、指宿に10年いました。国の診療報酬の改定の影響もあり、今、都市部から離れた地域の中核医療機関はかなり厳しい状況になっています。

 限られた医療資源の中で、救急や小児、産婦人科といった不採算部門を担う公的病院の負担は増しています。在宅医療を進めるにしても、患者さんの自宅1軒1軒が離れていて、訪問診療の効率が上がりません。2030年、さらにその先を見据えて、病院間が連携、協働していかないと、医療は本当に成り立たなくなってしまうのではと危ぐしています。

 当院と鹿児島逓信病院との合併が、ほかの地域、ほかの医療機関にとって、今後の医療提供体制を考えるきっかけになればうれしいですね。そのためにも、われわれは「統合して、機能を強化して、実績を挙げている」という結果を出していかなければならないと思っています。

独立行政法人国立病院機構
鹿児島市城山町8-1
TEL:099-223-1151(代表)
http://kagomc.jp/

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