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独立行政法人 労働者健康安全機構 熊本労災病院 猪股 裕紀洋 院長

独立行政法人 労働者健康安全機構 熊本労災病院 猪股 裕紀洋 院長

医療は人がすべて 働き方改革を進めたい

【いのまた・ゆきひろ】 1977 京都大学医学部卒業 1987 同大学院卒業 医学博士 1991 米アイオワ大学外科留学 1996 京都大学大学院助教授 2000 熊本大学医学部附属病院小児外科教授 2005 熊本大学大学院小児外科学・移植外科学教授 2009 熊本大学医学部附属病院病院長 2017 熊本労災病院院長

 熊本労災病院は、熊本県有数の工業都市・八代市において労災医療、政策医療を中心に担う医療機関として1954年に設置。産業構造や人口構成の変化に伴って地域医療を支える中核病院としての役割を強めていった。病院を取り巻く状況や今後の展望などを、猪股裕紀洋院長に聞いた。

―院長就任後の取り組みの状況などは。

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 昨年4月に院長に就任して、ちょうど1年が経ちました。私自身は長らく診療の最前線で忙しく働いてきましたので、当初は管理職としての仕事のペースがつかめず、やや戸惑いを感じた部分もありました。

 少しずつ業務に慣れだしてからは、病院を俯瞰して現状の何が問題なのか、どこを改善すべきなのかが見え始めてきた気がします。

 開設時の中心であった労災医療は年々減少傾向。当院が求められている役割は地域の救急医療への対応などにシフトしています。

 まずは、医師会や他の医療機関と連携しながら、急性期病院としての役割を果たしていく。その基本的な方向性が揺らぐことはありません。

 今後の課題として取り組むべきことは少なくありませんが、まずは喫緊の課題と中長期的に取り組むべき課題を分けました。一つ一つを着実に解消していきたいと考えています。

 私が赴任する前から昨年度まで、脳神経外科の常勤医師は1人。外傷や救急疾患への対応が十分でない状況が続いていました。

 脳神経外科へのニーズは高く、ここは早急に改善すべき点だと判断しました。そこで、熊本大学脳神経外科に支援を依頼。バックアップを得て、当院の脳神経外科の医師を「2人体制」にすることができました。救急医療、急性期医療に積極的に取り組んでいる医療機関としての機能を維持することができ、安心しているところです。

―特色の一つは勤労者医療の実績。

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 当院には、長年にわたって勤労者の方々の健康を総合的にサポートする中で培ってきた「勤労者医療」のノウハウがあります。

 その一つが、がん、糖尿病、脳卒中などの疾病分野における治療と就労の両立支援です。病気を治療しながら収入を確保しなければならない、あるいはやりがいとして仕事を継続したいという方に対して、その両立をサポートしています。

 場合によっては、勤務先企業との交渉や就労条件などの調整を専門とする「両立支援コーディネーター」が在籍しています。八代市における治療就労両立支援の取り組みの中心となり、地域の医療機関に対する指導的役割なども果たしていきたいと考えています。

 リハビリテーションについても充実させています。そうした労災病院ならではの強みを生かし、積極的な情報発信にも力を入れていきたいと思います。

 当院に限らず、医療者の確保は全国的な課題です。ますます重視されるチーム医療の観点からも医師、看護師、クラークなど医療スタッフの連携が不可欠ですが、限られた人員の中では理想どおりにいかないのが現状です。

 なるべく一人一人の負担を軽減しつつ手厚い診療を実践するためには、さらなる業務のすみ分けや集約化などが必要ではないかと考えているところです。

 院長に就任してから、各診療科の医師へのヒアリングやスタッフのアンケートなどによって現状を把握。人員配置が適正かどうかを検証し、最適化を進めています。その中で「どうしても人が足りない」という事実が得られれば、そのエビデンスをもって機構と協議し、計画的な人材確保につなげたいと思います。

 医療は、やはり「人がすべて」だと思います。良質な医療を継続的に提供していくためにも、医療現場における「」をしっかりと進めていきたいと考えています。

独立行政法人
熊本県八代市竹原町1670
TEL:0965-33-4151(代表)
http://kumamotoh.johas.go.jp/

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