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医療法人 佐田厚生会 佐田病院 藤原 将巳 副院長・整形外科部長

医療法人 佐田厚生会 佐田病院 藤原 将巳 副院長・整形外科部長

」で痛みの軽減に挑む

【ふじわら・まさみ】 1991 佐賀医科大学卒業 九州大学医学部附属病院整形外科 1992 明治記念病院 1993 総合せき損センター 1995 済生会八幡総合病院 1996 浜の町病院 1997 医療法人佐田厚生会佐田病院 2008 同整形外科部長 2015 同副院長

 手術の症例数は、患者の信頼度を示す「ものさし」の一つでもある。佐田病院の整形外科が福岡で上位の成績を維持している背景には、どんな理由があるのか。

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―脊椎疾患の手術件数は福岡県下トップクラス。

 2017年は300例を超え、福岡市内だと九州医療センターに次ぐ症例数です。県内でも5本の指に入ると思います。

 当院の脊椎手術は全症例で顕微鏡手術を実施しています。肉眼よりも細かな部分まで観察できるのはもちろん、内視鏡と比較すると立体的な画像が得られるため、距離感をつかみやすいという利点があります。

 基本的に1人のドクターによって進められる内視鏡手術に対して、顕微鏡手術は2人1組。「4本の手」を使って四つの機器を同時に操作することができます。効率的に手術を進められるとともに、術者間のダブルチェックが働くことで、より安全性が高まると考えています。

 当院は九州大学の関連病院として教育施設の役割も担っています。顕微鏡手術は2人で同じ視野を共有できますから、手技を伝えやすいという面もあります。

 2016年12月、ライカの手術用顕微鏡の最上位機種「М530 ОH6」を九州の病院で初めて導入しました。

 機器の性能が高いに越したことはありません。さらに、機能に頼りきりではなく、ドクターが特性を理解して使いこなすことが大切です。

 当院では私を含めて3人の脊椎外科専門医が勤務。うち日本脊椎脊髄病学会指導医が2人います。何年間も何百例も手術を共にしたからこそ生まれる「あうんの呼吸」のようなものがあります。言葉を交わさなくても、相手が考えていることを察知して先に動く。そんなチームワークが築けているのが大きな強みです。

 すべての手術の様子をハイビジョンで記録しており、特に難しい症例などに関しては振り返って検証しています。例えば高齢者は炎症による脊椎と神経の強い癒着が見られるケースが多く、手術時間が長くなる傾向があります。時間をかけすぎては麻酔や出血量の増加による体への負担が大きくなりますし、スピードにとらわれて安全性が低下しては本末転倒。

 術中の神経モニタリング、超音波などを駆使するほか、術後の感染症対策も徹底しています。コンパクトで丁寧、何より安全性を最優先にした手術を目指して「もっと改善できる余地はないか」とディスカッションを重ねています。

―疾患の傾向は。

 70代と80代を中心にして腰部脊柱管狭窄症が増加していると感じています。変化として感じるのは「年だから」とあきらめず「旅行やスポーツなどを楽しみたい」というニーズが高まっていることです。単に痛みを軽減するだけでなく、その先にある活動性をキープしたいと望まれる方が多いですね。

 手術の適応となる年齢層は広がっています。私がこれまでに経験した患者さんの最高齢は90代前半。併存している内科的疾患や認知症の有無などを考慮し、ご本人とご家族が納得の上であればかなり高齢であっても実施は可能です。

 当院の患者さんの多くは、他の医療機関から紹介された方です。薬剤治療やブロック療法、リハビリテーションなど一通りの保存療法を経て、それでもなかなか症状が改善しなかった患者さんが大部分を占めます。

 痛みに関する治療が難しいのは圧迫を取り除いたとしても、必ずしも消え去るものではないという点です。患者さん本人の痛みの感じ方、治療に対する期待度とその結果の差なども術後の満足度に反映されます。手術は成功し、10あった痛みが3になった。それでは満足できないケースも少なくないのです。

 若い方が椎間板ヘルニアの手術を受けて苦痛から解放されるのと違って、高齢者の患者さんの痛みがゼロになることはほぼないと言っていい。手術は「若返り」の手法ではないのですから。

 手術を第一の選択として来院される患者さんには、痛みを軽減するのは簡単ではないこと、手術には合併症のリスクなどがあることをしっかりと説明します。

 手術の準備という意味では患者さんの協力も重要です。糖尿病の方ならそのコントロールに努めていただき、喫煙者ならたばこをやめてもらう。その取り組みの中身によって、感染率や回復の度合いも変わります。

―心がけていることは。

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 術後の患者さんを主治医がしっかりと診ることは当然ですが、加えて看護師との連携が欠かせないと思います。

 やはり、患者さんの異変に最初に気づくのは看護師が多いのです。患者さんのどのようなところをチェックすればいいのか、定期的に勉強会を開いています。

 脊椎疾患に特有の手足の動きや強い痛み、あるいはまひなどがありますので、発見したら、たとえ夜中であっても気にせずに連絡してほしいと伝えています。こうした情報共有は、何度も継続的に取り組むことで根付くものだと思います。

 ・脊髄領域の中でも、得意分野は医療機関によってさまざまです。ほとんどの症例は当院でカバーできると思いますが、腫瘍や特殊な変形をしている症例などはちゅうちょせずに他の医療機関を紹介します。

 また、整形外科に限らず、佐田病院は病診連携を重視しています。当院での治療を終えて再び紹介元で診療を続ける際、気になるケースがあれば必ず密に連絡をとり、可能な範囲でフォローするようにしています。

 ときどき、患者さんから「先生ならどうしますか?」と尋ねられることがあります。手術をして痛みがどれだけ取り除けるかという見極めは、どんなに経験を重ねても難しい。昔は、いずれクリアになるのかなと思っていましたが、そんなことはないのですね。

 少なくとも「手術しなければよかった」と後悔させないために何ができるか。術後に何かが起こったときに、どれだけ寄り添うことができるか。そこに医師の本当の価値があるような気がします。


福岡市中央区渡辺通2-4-28
TEL:092-781-6381
http://www.sada.or.jp/

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