奈良県医師会 会長 広岡 孝雄

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 新年あけましておめでとうございます。皆様方におかれましては、すがすがしい新年を迎えられた方も多いと思いますが、われわれ医療界におきましては、今年4月からの診療報酬、薬価改定が気になるところです。

 さて昨年は、世界も日本も私自身においても目まぐるしい変革の年となりました。必死になって、世の中に付いていける様にあがいた年でもあります。まず世界に目を向けると、アメリカ大統領がオバマ氏からトランプ氏に代わり、アメリカが4月にTPPからの離脱を表明した結果、各国の保護主義が始まりそうです。また北朝鮮との関係悪化も危惧されていて、いつ戦争が始まるかが心配されます。全面戦争にならなければ良いのですが、小競り合いが引き金になるかもしれませんし、ちょっとした偶発事件から始まるのが戦争の常です。また国内に目を向けると自民党一党支配が顕著になってきました。

 昨年9月25日に安倍晋三首相が、少子高齢化と北朝鮮情勢問題を国難と位置付け、自ら「国難突破解散」と名付けて10月22日に第48回衆議院議員総選挙が行われました。(忖度により始まった、もりかけ問題隠しとも言われていますが) その後、小池百合子東京都知事が、「リセット」を合言葉に希望の党を立ち上げ、選挙後には代表を辞任した事は記憶に新しい出来事です。

 ここで選挙関連で報道された印象に残る言葉を集めてみました。

 民進党と希望の党の合流、「排除いたします」、「さらさら」「踏み絵と言われている政策協定書の署名」。希望の党が急激に民意から離れる。枝野幸男元官房長官が10月3日に立憲民主党を結党。「国民に背中を押して頂いた」「筋を通した」と称賛され、野党の分裂選挙へと進む。衆議院選挙は自民党の圧勝。小選挙区制度の弊害か。政権を取った自民党議員の「謙虚」発言があちこちから飛び出し、質問時間の割り当ての見直しを言い出し、決して「謙虚ではない」と野党第一党となった党が発言。国を動かす立場ある方々の発言の重要性を感じる選挙となり、私にとって多くの問題を考えるきっかけとなりました。ついでに私にとっても激動の年となり、奈良県医師会長に就任し現在6か月が過ぎようとしています。

 日本の医療と医師会の動きに付いていく事だけで精いっぱいですが、皆様のご意見やご支持を胸に頑張りたいと思います。

 この後10年間に医療技術や医療提供方法、ICT、AI技術などで大きな変革がやって来るでしょう。それに合わせて医師会会員一致団結して取り組んでいかなければなりません。

 最後に奈良県の医療行政について少し説明をしておきます。65歳以上の高齢者人口は平成27年10 月時点で28.1%になり、全国平均値より1.5%高く、平成30年には30%を超え、団塊の世代が75歳を超える平成35年には32.6%を突破する事が考えられます。

 医師会と行政の連携は特に重要であり、県知事との関係を良好にし、医療審議会へも委員として出席しております。また奈良県医療政策部の部長をはじめ要職との定期的な協議会を開き、地域医療構想についての話し合いも順調に進めています。

 次に病院では、病床変更を含めた医療提供システム構築に向けた動きが活発になり、社会復帰を速やかにするリハビリテーションも充実してくるでしょう。残る問題としては、地域医療を守る在宅医療の分野に、医師会が先頭を切って進めねばなりません。

 奈良県医師会では、少しでも在宅医療を安心に行っていただくために、在宅医療お助けメーリングリストを立ち上げています。訪問診療のためのアドバイスを、経験豊富な先生方が説明してくれます。また実際の往診にも同行し、在宅医療を理解していただくようにも考えています。奈良県医師会理事一同が、地域住民のため会員の役に立つ医師会を目指しています。

 今後ともご支援ご鞭撻をお願いいたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

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