関西医科大学 学長 友田 幸一

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 新年あけましておめでとうございます。穏やかな年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

 今年の干支は「戌」ですが、昨年の「酉」は果実が極限まで熟した状態、すなわち物事が頂点を極める年であったのに対して、「戌」は実を収穫した後の状態、すなわち物事を実現しまとめる年のようです。

 今年は本学にとって大きな節目の年で、創立90周年を迎えます。大学の更なる発展と社会の付託に応えるため、看護学部・大学院の開学、総合医療センター・ホスピタルガーデンのグランドオープン、附属病院群整備事業の完遂、武道館を備えた牧野講堂の完成、さらに次に続く国際交流センターとホスピタルインの機能を備えたタワー棟の建設、最先端医学研究所の設置等の事業計画を進めております。また本年1月1日付けで回復期リハビリテーションの機能を主軸とした「関西医科大学くずは病院」を第4の分院として開院します。

 一方、教学の面では、今後の疾患の動向、変化そして次代の医学・医療に目を向けて、基礎系講座の再編や新規にiPS・幹細胞学講座の開設により基礎研究と再生医療を推進します。またゲノム医療を視野に入れてゲノム編集・解析部門を設置します。その他、ロボット医療、ヘルスケア、人工知能によるデータ解析などの分野にも力を注いでまいります。

 一方、私が学長に就任して以来、世界の大学ランキングにおいて1000番以内に入ることを目標に掲げてきましたが、最近発表されたTHE世界大学ランキング2018版で本学は教育力が高く評価され、世界レベルで800~1000位に、国内の医科系大学では6位にランクされました。国際化に努力してきた成果が3年目にしてようやく達成され次の目標は500番以内を目指しています。

 人材の育成については、急速に進行するIT化によって、医学・医療の世界も大きく様変わりし、人と機械が今後どのように関わっていくかが問われています。次代に求められる人材とは、医師だけではなく、看護師、医療スタッフなど多職種において高い専門技術力を持ち、豊富な知識と経験を持ち、一方、患者さんの気持ちに寄り添えるコミュニケーション能力の高い、ヒューマニズムを持った人間であるように思います。このような人材の育成のために大学を挙げて各専門領域の技術向上を推進したいと考えています。また、慈しみ・めぐみ・愛を心の規範として生きる医人を育成する本学の建学の精神、すなわち「慈仁心鏡」こそが是であり、本学が誇る伝統の本質であります。

 これから本学が目指す目標は、本学が誇る伝統の本質を活かして、日本を、そして世界をリードするトップ・ユニバーシティーとして医学・医療人の育成と知的資源を広く社会に還元すべく教育・研究・診療の各分野において高等教育機関としての使命を果たすことと考えています。今後とも絶大なるご支援を宜しくお願い申し上げます。

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