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鳥取県看護協会 会長 内田 眞澄

鳥取県看護協会 会長 内田 眞澄

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 皆様 新年あけましておめでとうございます。

 今年の干支は「戌」です。ご存知の方が多いかとは思いますが「戌」の本来の読みは「じゅつ」。語源・由来には、元は作物を刃物で刈り取り、ひとまとめに締めくくることを表している、とあります。昨年は酉年でした。「酉」は収穫できる状態になる、という意味をもっているそうですので、今年の「戌」は時期として収穫した後の段階を意味しているようです。また、律儀、温かい、美しい、削るなどの意をもち、秋を冬に変える変化を司る、とも意味しているとあります。

 イヌはヒトとの関わりが古く、人間の手助けになっていたことから大事にされていました。縁起担ぎとしては「勤勉」「努力」とも言われています。

 その意から考えてみますと、一昨年の中部地震、そして昨年の大雪害など年年に見舞われた天災・災害から、私たちは人と人との繋がりの深さ、太さなどなど多くのことをもたらされました。それにより人は生きる力が生まれ、天災・災害前以上の太い絆が紡がれるなど多くの学び、喜びを実感することができました。そして看護職者である私たちもより一層、真に自らの専門性を見つめ主体性をもってその時々の対応力を発揮するべき取り組みをいたしました。それが酉年であった昨年の大きな収穫ではなかったでしょうか。皆様方におかれましてはどのような一年であったことでしょう。そしてどのような収穫があったのでしょうか。その上で今年の「戌年」を展望してみたいと思います。「戌」の意味合いにあります収穫した後の段階から考えますと、春を迎えるべき備えの冬です。収穫した後の土壌はしっかり栄養を蓄え保水し、次の生吹に備える準備の時期と言えましょう。

 備える、ということで私はいつも凄いなぁと感じていることがあります。それは、桜の開花についてです。私は県西部の南部町に嫁ぎ40年経ちました。自宅のすぐ目の前には約1500本の桜を有する法勝寺川土手、城山があります。咲いた桜の見事さもしかりですが、それ以上に私の関心は春分の日あたりから毎年誰が教えるのでもないのに1500本が同じくして固いつぼみからピンク色に変わるのです。中に決まって他の桜木より3日くらい早く咲く気ぜわしい桜木もありますが、1500本のほとんどが一斉に開花の準備をしています。長い冬をじっと開花に向け備えている桜木に凄さを感じるのです。桜の花はどんなに長く咲いても10日間程です。その10日間咲く花のために、秋には葉を落葉させ、肥やしとし長い冬に栄養分を蓄え根元から木々の枝の先々まで行きわたらせている桜木の355日の力強さ、粘り強さに私は凄いと感心してしまうのです。もちろん桜の木自身の355日だけでなく、保存会の方々による追肥の支援があることで桜の花は一層見事さを増しています。桜の花を収穫に例えますと、いかに秋から冬の蓄えの時が開花を左右する大切な時期であるかということを感じていました。

 そして我が鳥取県看護協会に目を向け昨年を振り返りますと、虎井前会長のもと、"火の鳥""改革の時"として 2017年の幕が開きました。その具体の活動・チャレンジは各委員の方々が中心となり展開して下さいました。一部紹介しますと、6月開催の看護研究発表会は会場を協会から「とりぎん文化会館」に、地域包括ケアの推進では協会が担うべく取り組みを弓浜地区においてモデル的取り組みの展開を、当会の訪問看護ステーションにおいては役割拡充に向けサテライト「隼」の新設置などなどです。どの取り組みも皆様が一丸となって取り組んでいただき一歩前に確実に歩み出ましたことに感謝申し上げます。

 昨年得られたたくさんの結集結実、その収穫を糧として、次なる収穫がより質の高きものとなりますように、今年は目標開花に向け、「戌年」備え・蓄えの年、「勤勉」に「努力」を重ね、県民の皆様に誠実に看護職の役割を果たして参りましょう。目指す4300人の会員が心一つに、力一つになれば果たす役割の開花も倍増と確信しております。

 希望、楽しみ、幸せをいっぱい感じさせていただけることに心から感謝し、本年も皆様がご健勝で、幸多き一年でありますことを心からお祈り申し上げ新年のごあいさつとさせていただきます。

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