九州医事新報社 - 地域医療・医療経営専門新聞社

岡山大学病院 病院長 金澤 右

岡山大学病院 病院長 金澤 右

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 新年あけましておめでとうございます。2018年を迎えるにあたり、皆様のご健勝を祈念するとともに、岡山大学病院の昨年の活動報告と本年の抱負につきまして、ご挨拶申し上げます。

 昨年4月に病院長に就任以来、教職員に岡山大学病院の合言葉として「向きあう、つながる、広がる」を提案して、意識と情報の共有をお願いしました。患者さんに対して真摯に、親切に向き合い、職員同士のコミュニケーションを大事にして、地域の皆さんとしっかりとつながり、世界に羽ばたく人材を育て、最先端の研究、医療技術を提供していくのが私ども岡山大学病院のミッションと考えたからです。また、特定機能病院として特に安全管理には十分な配慮を行い、その仕組みをしっかりと作ることも目標としてきました。幸いにして、教職員には徐々にこの考えは浸透しているようで、無事2017年が終了しほっとしております。

 2017年3月には、医療法上の臨床研究中核病院に中国四国地方で唯一認定され、本院の我が国における役割について認識を新たにいたしました。また、5月には、「日本医療教育財団」による外国人患者受入れ体制審査(JMIP)で、認定医療機関となりました。一方、念願の総合診療棟全面完成により、バイオバンク、治験病床などが整備され、研究病院としての機能面もさらに強化されました。加えて、病棟11階を全面改修し、医学部創立150周年を記念して「floor 150」と命名、患者さんとそのご家族のための宿泊や歓談のための設備を整え、職員には福利厚生のため職員食堂や休憩スペースを備えました。いずれも好評で、岡山大学病院のイメージ向上につながったと思っております。

 2018年は、診療報酬改定、消費税増税など病院経営にとっては試金石とも言える「試練」が待ち構えています。病院の機能役割分担や連携なども従来にないスピードで進んでいくことと思われます。地域医療を支えるための人材育成も引き続き喫緊の課題と言えます。また、グローバリゼーションの波の中で、外国人患者にさらに応えなくてなりません。先端医療では、プレシジョン・メディシンがいよいよ実体化され、「がんゲノム医療拠点病院」制度をはじめその仕組みづくりも始まります。岡山大学病院は、これらの状況に前向きに対応するために、「向きあう、つながる、広がる」の意識を教職員で十分に共有して、我が国のリーディングホスピタルの一つとしての役割を果たすべく努力を重ねたいと思っております。

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