九州医事新報社 - 地域医療・医療経営専門新聞社

鹿児島大学病院 病院長 夏越 祥次

鹿児島大学病院 病院長 夏越 祥次

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 新年あけましておめでとうございます。皆様におかれましてはつつがなく新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。国内外の一年を振り返りますと、アメリカではトランプ大統領が誕生し、アメリカ第一主義を打ち出しました。その後都民ファーストを掲げた小池都知事が都議会選で圧勝しましたが、衆議院選では"排除する"の一言で議席を減らすという、言葉の大切さも学んだ気がします。今日の北朝鮮の状況も決して楽観できず、早く落ち着いてほしい気がします。

 本年度は新専門医制度の一次登録が11月15日に締め切られ、7989人が登録したと報道されました。各基本領域の調整対象人数は、現時点では公表されていませんが、ある分析結果によりますと、内科では20.8%、外科では5.9%、過去の後期専攻医の平均採用実績よりもそれぞれ減少していると述べられています。都道府県別の専攻医登録者数も分析、内科では5.47倍、外科では25.2倍の開きが見られ、専攻医登録者数の地域差が存在することが確認されています。地域の偏在、診療科の偏在など本当に改善されるのか、不安材料も多く、地方医療、特に鹿児島県のような離島・僻地をかかえるところでは益々悪化することが懸念されます。

 鹿児島大学病院は特定行為に係る看護師の研修制度指定研修機関であり、これからも医師不足が予測される離島・僻地医療に対応すべく、高度実践看護師臨床教育を推し進めております。本年度は鹿児島県で看護師の特定行為研修について広く知っていただくために、看護師特定行為研修センターが中心となり、「地域医療を支える看護師特定行為公開シンポジウム」を開催しました。今後安心・安全な地域医療に寄与することが望まれます。

 鹿児島大学病院は平成17年度から「21世紀に輝くヒューマントータルケア病院」を目指した病院再開発計画が着手され、現在半分を経過したところです。来年1月には二つ目の新病棟が竣工予定であり、患者さんの快適な入院生活に少しでもお役に立てればと思っています。経営的には厳しい状況にありますが、鹿児島大学病院職員全体が、「安心・安全な医療をめざした英知の結集」をスローガンに、今年も一致団結して医療に取り組んでまいります。

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