福岡大学病院 病院長 井上 亨

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 明けましておめでとうございます。皆様にはつつがなく新年を迎えられましたこととお慶び申し上げます。

 現在の医療制度は少子高齢化や景気の低迷により財源の確保が困難になる一方、医療費の抑制や健康の増進、無駄の是正を目的とした医療改革制度が進められています。医療費抑制の政策により、多くの病院は経営が厳しい状況ではないかと思います。当院でも医療環境の変化に対応し、経営改善を迅速に進めていくために経営戦略室を設置し院内、院外の情報を集約し、短期的・中長期的視点で立案しています。今後は高齢者の割合が増加することにより、医療費がさらに増加し財源の確保がますます困難となりますのでさらなる取り組みが必要となるでしょう。今年は診療報酬と介護報酬の同時改定となりますので病院経営に配慮した改定となることを期待しています。

 さらに政府が働き方改革と銘打って労働時間短縮に向けた政策を検討する中、医師の当直や時間外労働について5年を目途に是正する方針が打ち出されています。当院でも労働時間の実態を把握し、医師だけではなくすべての職員に対しても問題点の把握と対策に着手し、環境の整備が必要と考えています。

 また病院本館の老朽化が進み、現状において耐震構造に問題を抱えていることは周知の事実です。当院は災害拠点病院ですので安全でより良い医療環境に対応できる病院を目指し建て替え実現に向けての検討を進めています。

 当院の理念である「あたたかい医療」を実践し地域医療に貢献できるように努力し、活気ある福岡大学病院を目指しています。本年もご支援とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

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