CROSS TALK vol.09 -災害医療- 有事に必要な医療とは?東日本大震災の教訓

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東北大学大学院医学系研究科循環器内科学
下川 宏明 教授(しもかわ・ひろあき)

1979年九州大学医学部卒業、同循環器内科学入局。
米メイヨークリニック、九州大学大学院医学系研究院助教授などを経て、2005年から現職。

久留米大学医学部内科学講座 心臓・血管内科部門
福本 義弘 主任教授(ふくもと・よしひろ)

1991年九州大学医学部卒業。米ハーバード大学ブリガム・ウィメンズ病院、
東北大学大学院医学系研究科循環器内科学准教授などを経て、2013年から現職。

 東日本大震災から8年。未曾有の災害は有事の医療体制に厳しい現実を突きつけた。共に九州大学出身。東北大学で被災した循環器内科学教授の下川宏明氏、福本義弘氏(現:久留米大学心臓・血管内科部門主任教授)は震災で何を得たのか。それぞれ宮城、福岡で活動するいま、何を感じているのか。発生時の状況などを振り返りつつ、未来につながる動きを追った。

東日本大震災で明らかになったこと

 東北大学病院に災害対策本部が設置されたのは、震災発生からおよそ45分後のことだった。院内のすべてのライフラインがストップ。混乱の中、患者や職員の安否確認、被害状況の把握、トリアージポストの設置、DMATによる情報収集など、多岐にわたる対応に追われた。

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