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80周年の節目に独法化意義ある再出発に

80周年の節目に独法化意義ある再出発に

地方独立行政法人
理事長・院長(しみず・かずや)

1977年京都大学医学部卒業、同附属病院。
神戸中央市民病院、京都市立病院、国立京都病院(現:国立病院機構京都医療センター)などを経て、
2008年公立甲賀病院、2013年から同院長、2019年から現職。

 創立80周年。甲賀市と湖南市が母体となって共同運営してきた公立甲賀病院がこの春、地方独立行政法人として再スタートを切った。病院を率いて7年目、飾らない人柄で親しまれる清水和也院長に現状や抱負を聞いた。

—経営形態が変わってから半年が過ぎました。

 病院はもともと、甲賀市と湖南市が設立した一部事務組合によって運営されていましたが、独立性は保たれていましたので、大きく変わったという実感は特にないですね。

 経営危機でもない状況で、なぜ今、独法化したのか。それは、先に手を打つことに意味があるからです。今後、病院経営は厳しさを増します。危機的状況に陥る前に、職員がより自主的に動くための体制に変えたということ。「一同、運営に責任を持ち、努力します」という宣言だと思っています。

—病院の現状は。

 看護師の離職が続き、7対1看護体制で413床を維持するのが難しくなりました。患者数の減もあり、10病棟のうち1病棟を5月の連休明けに閉鎖。人員を他に回して業務負担を減らしました。

 患者数が減った理由は、主に救急。救急専任がおらず消防からの要請を断るうち、一昨年に最高益だった収益は1年で3億円も減少。

 新築移転後5年間、順調に伸びてきた患者数が初めて減ったのです。この事態から脱するには「断らない救急」を徹底するしかない。本来、地元で診るはずの急患がドクターヘリで圏外に運ばれていた問題もありました。そこで消防と運用ルールについて協議。救急受け入れは夏場から回復し、9月からは急増。この調子でいけば、去年の実績に上乗せできそうです。

 患者が増えると、次の問題はベッドコントロールです。院内の回復期のベッドへの移行はもちろん、近隣の病院とも話をして後方支援をお願いしたところです。

 独法化にあたって策定される中期目標はありますが、まずは足元の患者数を増やすことが先決。そのためには人材確保です。看護師に関しては系列の公立甲賀看護専門学校の卒業生だけに頼るのではなく、採用担当が足を運ぶエリアを拡大。結果、学校外から10人ほど応募があり、4月に計30人ほどを採用できそうです。毎年30人を確保、離職者が10人以内に収まれば、3年で50人増の目標をクリアできます。

 研修医に関しては、定員5人に対し10人以上の応募がありました。主に滋賀医科大学からです。アットホームな特長が学生に広がりつつあるのかもしれません。もともとここは京都大学の関連病院という意識が強かったのですが、働いている医師の8割は滋賀医大出身。滋賀医大との絆をより深めることが地域医療を守ることになる―そんな思いで動いているところです。

—80周年を迎えました。

 10月に記念式典を行います。2カ月に一度開いていた公開講座は拡大。今後は半年に一度、400人規模で開催することにしました。11月に行う病院フェスタも大々的にバージョンアップ。80周年事業を、より広く市民に知ってもらうきっかけにしたいですね。

 独法化したことで、これまで以上に積極的な病院経営が可能となります。しかし大事なのは職員の総和。うちは全体的に平安を望む人が多いですし、私自身も人を怒ることができない性格で(笑)。

 人材育成は、思ったようにはいかないのが常。病院経営もそうでしょう。大きな改革を成し遂げるというより、内外に対して対話を繰り返し、工夫を積み重ねることで、じわりじわりと目標に近づいていく。そんなやり方が合っているような気がします。

 病院を少しでも良くしたいという思いを職員や関係者、地域の人たちと共有して、最終的にみんなが平和でハッピーになれたら一番うれしいですね。

地方独立行政法人 公立甲賀病院
滋賀県甲賀市水口町松尾1256
☎0748―62―0234(代表)
http://www.kohka-hp.or.jp/

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