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7月「健都」へ移転 協働で、最先端のその先へ

7月「健都」へ移転 協働で、最先端のその先へ

国立研究開発法人国立循環器病研究センター病院
小林 順二郎 病院長(こばやし・じゅんじろう)

1980年大阪大学医学部卒業、同大学院医学研究科外科学第一専攻。
米シカゴ小児病院、アラバマ大学バーミングハム校、
国立大阪南病院(現:大阪南医療センター)などを経て、2018年から現職。


 JR岸辺駅前で開発が進む北大阪健康医療都市(愛称:健都)。「健康・医療のまちづくり」をテーマに、新たな医療クラスターを目指す。その中核となるのが、7月1日に開院する「国循」。現状と展望を聞いた。

―移転まで数カ月となりました。

 いよいよという感じです。しかし昨年は、6月に発生した大阪府北部地震の対応に追われていたのが実情。

 ここは震源地の高槻市に近く、阪神・淡路大震災くらいの揺れを感じたほどです。高架水槽が壊れて、3病棟が水没。設備を補修補填(ほてん)し、移転まであと1年あるということで耐震の補強工事も行いました。

 結局、落ち着いたのは年末ごろでしたね。ようやく本腰を入れて移転準備を進めているところです。4月に建物の引き渡しがあり、5月にまず研究所が、6月に病院が移る予定。人工心臓や人工呼吸器など生命維持装置をつけている方が多いので、綿密な搬送計画に沿って4月と6月にシミュレーションを行います。


―「健都」の象徴として、より便利な立地へ。

 JR岸辺駅は新大阪駅から電車で7分。ちょうど吹田市と摂津市の市境に位置します。駅からは空中デッキで直結し、アクセスは良好。新快速が走るエリア、姫路から米原手前あたりの地域から来院いただけるのではと思っています。

 現在、患者さんの75%は大阪府内ですが、府外の方が増加するでしょう。救急車はより広範囲から来ますので、移動時間の短縮は重要課題です。

 そこで高速道路の出口ではなく、近くの吹田サービスエリアから直接降りられるアクセスを確保します。吹田市の予算にも関わりますが、来年には実現できると思います。


―「オープンイノベーションセンター(OIC)」が創設されます。

 現在の研究開発基盤センターをOICに組織変更し、構成を病院、研究所、OICの3本柱とします。OICは企業と連携して行う共同研究の拠点。その大きな目的は、医療技術の開発をよりスピーディーに推進することにあります。

 施設内に、企業が常駐する部屋を18室設置。現在12社と契約が進んでいます。当センターの研究者と協力しつつ、これまでに蓄積したデータや試料、施設を活用できます。企業には、病院と研究所との連携プロセスをさらに効率化する役割も期待しています。

 例えば、厚労省やPMDA(医薬品医療機器総合機構)との交渉を担ってもらうことで治験や臨床研究をよりスムーズに進めることができるでしょう。共同研究のサポートやコーディネート、また企業同士のタイアップなどを臨機応変に素早く行える体制を整えていく予定です。

 特区やセンターの利点を生かして、研究を早くベッドサイドに持っていけるようにしたいですね。OICに隣接するイノベーションパークには、国立健康・栄養研究所やニプロの研究所など、医療や健康に関連する機関や企業が誘致されます。市立吹田市民病院もひと足早く開院しました。オープンイノベーションを合言葉に、健都全体で健康づくりや予防医療の取り組みが広がればと思います。


─設備も一新します。

 12ある手術室のうち4室をハイブリッド手術室とします。4室持つのは国内では当センターが唯一です。緊急の症例に対応しつつ、高度な手術をより低侵襲で展開していきます。

 新しい施設、優れた環境で働けることをみんなで楽しみにしているところです。われわれのキャッチフレーズは「最先端のその先へ」。新技術を取り入れて日本中に広げる、医療の均てん化もミッションの一つです。このモチベーションを、新天地でさらに高めていけたらいいですね。


国立循環器病研究センター病院
大阪府吹田市藤白台5―7―1
☎06―6833―5012(代表)
http://www.ncvc.go.jp/hospital/

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