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50周年、そして次の50年に向けて 病院の再構築とこれからの覚悟

50周年、そして次の50年に向けて 病院の再構築とこれからの覚悟

社会医療法人 祐生会 みどりケ丘病院 新井 基弘 病院長(あらい・もとひろ)
1987年大阪医科大学医学部卒業。2000年にみどりケ丘病院入職。
副院長などを経て、2008年から現職。

 2021年に創立50周年を迎えるケアミックス病院。新病院構想を描きながら診療機能強化を図り、医療体制の充実を積極的に実現している。将来に向けたグランドデザインに挑む病院長に、近年の取り組みや今後の構想について聞いた。

―機能向上を図っています。具体的な取り組みは。

 ここ数年で一番の成果は脳卒中センターの開設。1年半経って、ようやく軌道に乗ってきました。脳神経外科の常勤医5人と神経内科1人、加えて大阪医科大学からの応援医師で運営。もともと脳卒中は地域で40~50%のシェアがありましたが、365日24時間体制で血栓溶解療法や血栓回収療法が可能となり、カテーテル治療の症例が増加。実績はこの1年で8例。順調にいけば年間20例ほど見込めると思います。

 高槻市の救急は市内で96~97%が完結しています。茨木市や摂津市からも受け入れており、その一翼を担うのが当院。搬送数は年間4000台弱ですが、脳卒中センター開設後は茨木市からの搬送が約30%増加しました。さらに循環器と内科救急の受け入れ体制を整えるため内科医を増員。今後も人材派遣を含め多方面での勧誘を行っていきます。

―医師の働き方改革についての考えと方策を。

 人員を増やした分、単純に業務量が減るわけでないのが悩ましいところ。実際の働き方や業務量、売り上げなどを調べると、うちで負担が大きいのは整形外科。そこで事務作業はほぼクラークに任せることに。

 さらに患者さんの高齢化により、術前術後の内科疾患管理が医師の負担になっていたことが分かりました。 そこで外科・内科の連携を強化。整形外科医は手術に特化し、内科系の疾患は副主治医である内科医が診る、という方法に改善。一番良かったのは、術後の肺炎の合併症が減ったことです。在院期間も若干短くなりました。

 時短勤務の運用については、併設する託児所を利用して短時間働いてもらえる医師の採用に力を入れています。現在、大学病院の産休明けの医師が2人いますが、先生方が一番望むのは前の職場に戻るためのトレーニング。対応できる現場をつくろうと医療部長が頑張っているところです。

 マンパワーをうまく配分して、おのおのが専門性に特化した業務を効率的に行えるようにできれば。オンオフをしっかり線引きできるようヒアリングして、それに見合う改善に取り組みたいと思っています。

―病院の再構築をどのように進めますか。

 地域医療と救急医療、何より患者さんに満足していただけるような医療を提供できるように、新病院構想を中長期計画のメインとして再構築を進めていこうと考えています。その間にも施設は老朽化するので、5年前に一部の病棟のみを新築しました。

 医療機器の更新が手つかずだったので新棟1階部分に「放射線診断センター」を開設。MRIやCT、血管撮影装置を導入します。来年の春、遅くとも秋までには稼働予定です。

 新病院に関しては、近年の地域医療構想を念頭に置いて、行政とも協議して進めていかなければなりません。今後はケアミックス病院としての機能強化か、機能分化を進めるのか、双方からのアプローチの可能性を残して最良の判断ができるようにしていきたいと思います。

 「患者に寄り添う医療」と職員の働きやすさは直結します。働きやすく、より多職種連携が活発になるよう、構造やシステムなど、ハードとソフト両面から再構築していきたいですね。

 これまでの救急医療だけで、今後もやっていけるとは思ってはいません。ここは覚悟を決めて、時間も資金も惜しまずにやり通したいと思っています。

社会医療法人 祐生会 みどりケ丘病院
大阪府高槻市真上町3―13―1
☎072―681―5717(代表)
https://www.midorigaoka.hospital/

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