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最後の砦を盤石に 人材確保に注力

最後の砦を盤石に 人材確保に注力

医療法人社団静岡メディカルアライアンス 下田メディカルセンター
伊藤 和幸 (いとう・かずゆき)

2002年名古屋市立大学医学部卒業。
国立国際医療研究センター、国立病院機構東京病院、
下田メディカルセンター副院長などを経て、2021年から現職。

 静岡県の伊豆半島南部で、急性期を軸に担う公立病院の下田メディカルセンター。伊藤和幸病院長は、地域住民の命を守る最後の砦(とりで)としてあり続けるため、マンパワーの充実を最重要テーマに掲げる。

重責の日々 人材確保が最優先

 2021年4月、副院長から病院長に就任した。診療以外の業務が大半となり、業務内容も責任の重さも様変わりした。「常にいろいろなことを考えないといけないので、疲れもありますが、やっと慣れてきたところです」と語る。

 静岡県下田市を含む6市町で構成される賀茂医療圏は、高齢化率が41・8%(2015年)と県内で最も高い。同院でも、難聴や認知症患者への対応で、1人当たりの診察時間が長くなりつつあるという。一人ひとりに丁寧に向き合うために、最優先に進めていかなければならないと考えているのが、人材確保だ。

 従来の医療法人主体の採用活動を継続させるだけではなく、移住支援に力を入れる下田市や南伊豆町などと連携した医師、看護師らの募集ができないかと構想を練っている。自治体のウェブサイトに求人募集を掲載するなど、地方への移住を希望する医師らの目に付きやすいような手法を考えているという。

 特に医師を充実させる必要性が高いのが、内科と整形外科だ。高齢化の進行に伴い、内科的慢性疾患や骨折などの患者が増加しており、両科が診療の二本柱となっている。将来的な医師確保につなげるため、「高齢化という意味では第一線を走っている」と地域の現状を前向きに捉え、高齢者を全人的に診ることを学びたい若い医師にとって一定期間経験が積める場となることも発信していく。

「いいと思うもの」患者に届ける

 大分県日田市出身。工学部を卒業して大学院へ進んだが、一念発起して医師を目指した経歴を持つ。名古屋市立大学医学部卒業後、外科医として大学病院や国立病院機構の病院などで経験を積んだ。国立国際医療研究センター時代の先輩医師に声を掛けられたのが縁で2013年、下田メディカルセンターに赴任した。

 副院長時代の2018年には、院内に化学療法室を新設した。入院せずに通院で化学療法を受けられ、専用の部屋を設けたことでプライバシーも守ることができるように。患者の負担軽減につながった。今後も、患者目線かつ「自分自身もいいと思うもの」にこだわり、例えば人間ドックでは、受診者が希望する検査項目を自由に選択できないか検討している。

楽しく仕事を 思いつなぎ底固め

 142床を備え、地域の中核病院としての役割を担う同院の魅力は、「大き過ぎず小さ過ぎずの規模で、アットホームなところ」だと思っている。

 約200人の職員を束ねる病院長となり、意識しているのは、意見が言いやすく、楽しく仕事ができる組織をつくることで、「診療経験は18年で、急性期病院の院長としては比較的若い。なるべく話しかけやすい雰囲気づくりを心掛けています」。通りすがりに職員に笑顔であいさつをしたり、働きぶりを意識的に見たりするようにしているという。職員全員の顔と名前を覚えることも、目標の一つだ。

 静岡の地を満喫しようと、同院に赴任してから始めた趣味の素潜りはお預けとなり、職員のため、地域で暮らす人たちのために奔走する日々が続く。「地域医療を守るためには、人材確保が絶対条件。これまでの院長先生たちの思いも引き継ぎながら底固めをして、代わりがない地域のインフラとしての役割を果たすため、盤石な体制を築いていきます」と力を込める。



医療法人社団静岡メディカルアライアンス 下田メディカルセンター
静岡県下田市6ー4ー10
☎0558ー25ー2525(代表)
http://shimoda.s-m-a.or.jp/

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