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機能分化で専門性を高め 地域医療に貢献する

機能分化で専門性を高め 地域医療に貢献する

鳥取赤十字病院
竹内 裕美 院長 (たけうち・ひろみ)
1981年鳥取大学医学部卒業。英ウェールズ大学留学、
鳥取大学医学部感覚運動医学講座耳鼻咽喉科・頭頸部外科分野教授、
鳥取赤十字病院副院長兼耳鼻咽喉科部長などを経て、2021年から現職。


◎地域医療を支え続けて

 鳥取大学医学部を1981年に卒業し、耳鼻咽喉科、特に鼻副鼻腔領域を専門としてきました。医師となって40年余りになりますが、大学病院での勤務が長く地域医療の経験がほとんどなかったため、鳥取赤十字病院に赴任後、本院ならびに近隣の医療機関の先生をはじめ、多くの方から地域医療についてご教示をいただいています。

 当院は、1915年に県立鳥取病院から無償で譲渡移管され、日本赤十字社鳥取県支部病院として開設されました。

 開設当初から、鳥取県庁と旧鳥取市役所に近接した市街地の中心に位置し、現在まで地元の方々には「日赤」と呼ばれて、親しまれてきました。交通の便が良いこともあり、近隣の診療所から「紹介しやすい病院」といった声もいただいています。

 2018年に新病棟などを全面的に改築。市街地にある大規模な病院は、改築に伴って郊外に移転することが少なくありませんが、当院は看護学校跡地などを利用して移転することなく増改築を行うことができました。
 病院が100年以上同じ場所にあることの地理的な利点は、当院にとっては大きな財産であることは間違いありません。


◎病院機能を分担し、専門性の高い医療を提供

 鳥取県の人口は全国最少の約55万人。財政規模も限られていることから、医療資源を有効に使うことが求められています。

 鳥取市の中核病院には当院を含め、鳥取県立中央病院、鳥取市立病院、鳥取生協病院の4病院があり、それぞれ特徴を生かした医療を行っています。特に、病床数の多い当院と鳥取県立中央病院では、県の指導のもと、病院の機能分担を決め、特徴のある医療を行っています。

 具体的には、食道・胃・大腸などを専門とする内科・内視鏡センター、頭頸部腫瘍および甲状腺疾患を専門とする頭頸部外科センター、股関節・膝関節などの整形外科領域を専門とするリウマチセンター、口腔内疾患・咀嚼障害などを専門とする口腔ケアセンターなどがあり、他の医療機関にはない医療を提供しています。

 特に、上部内視鏡検査の件数は山陰地方では最も多く、それに伴い消化器外科の救急手術件数も大学病院以上の件数となっています。今後、各センターの機能をさらに高め、救急対応の充実を図りたいと考えます。また、特化した専門領域はもちろんのこと、若手医師が専門医資格を修得するための一般的な疾患を経験できる環境を維持することも必要と考えます。


◎救急医療に関心が高い若手のサポートを

 私たちは国際的な赤十字社の一員として、大規模災害時などの緊急時に迅速に対応する災害派遣医療チーム(DMAT)や、その後の医療を支援する医療救護班としての使命を担い、要員の育成を行っています。

 最近、臨床実習(クリニカル・クラークシップ)に来る医学生と話す中で、救急医療への関心が高い印象があります。診断学の領域ではAIにかなわないことが分かっているので、救急医療のようなAIができない領域に関心が向かっているのかもしれません。

 救急医療に関しては、トリアージなどはAIに任せても、実際の手技の大部分は今のところヒトが行うので、DMATや医療救護班を目指す若手医師が増える可能性はあります。この傾向の善悪は分かりませんが、災害派遣医療チームの人員の育成体制は整えています。

 コロナ禍の中、医療環境は激変しています。収まった後も以前のような医療環境には戻らないと思います。コロナ後を見据えた準備が必要であることは理解しているつもりですが、具体化するには多くの方からのご助言、ご指導が必要不可欠です。今後とも格別のご高配をお願い申し上げます。




鳥取赤十字病院
鳥取市尚徳町117
☎️0857-24-8111(代表)
https://www.tottori-med.jrc.or.jp/

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