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東京女子医科大学 整形外科 広い裾野でニーズに応え、膝関節を極める

東京女子医科大学 整形外科 広い裾野でニーズに応え、膝関節を極める

岡崎 賢 主任教授(おかざき・けん)
1991年京都大学医学部卒業。
独マックス・プランク認知神経科学研究所、
京都大学医学部附属病院助手などを経て、2009年から現職。

 2024年に開設100周年を迎える東京女子医科大学整形外科。膝関節、、股関節、関節リウマチなどの9グループで幅広い領域をカバーし、バランスの取れた診療体制を整えている。8代目の岡崎賢主任教授が打ち出そうとしている、教室の特色とは―。



―教室の特長は。

 当大学病院は、高度な医療に対するニーズが高い、都心部に立地しています。そのため、第一に臨床力を高めることを目標としています。当教室では年間約1400件の手術を実施しており、強みはあらゆるニーズに応え、トップレベルの治療ができることだと捉えています。

 全身にある運動器を扱い、小児から高齢者までを対象としている整形外科は、広い裾野で幅広い領域をカバーすることが求められます。その一方で、教室として突出した分野を持つということも重要で、当教室が力を入れているものの一つは、膝関節です。特に変形性膝関節症では、人工膝関節置換術と、自身の関節を残した上で治す骨切り術を活発に行っています。その他、スポーツ分野では靱帯や半月板の損傷に対する関節鏡下手術にも力を入れています。

 脊椎グループで早期にコンピューターナビゲーションを導入し、難治性脊椎障害の治療を行っている点も特長の一つです。


―関節リウマチの手術について。

 関節リウマチの手術件は年間300件近くと豊富で、全国で最多という調査データもあります。リウマチのグループの母体である当大学膠原(こうげん)病リウマチ痛風センター関節外科を2018年に統合しました。その結果、互いの強みを生かした相乗効果が生まれています。

 特に多いのが、指や足が曲がる小関節変形などに対する治療です。18年に導入した、足首に対する新たな人工足関節置換術にも力を入れています。


―人工関節分野のロボット支援下手術の現状は。

 人工関節分野への手術支援ロボットの導入がここ数年で急速に広まり、当教室でも4月に導入しました。ロボットは1㍉、1度単位の正確性が高く、理想の完成形に近づけられるメリットがあります。

 これまでは曲がった脚を真っすぐに治すことが正解とされてきましたが、顔の形が一人一人違うように、脚の骨の形も異なります。人によっては、少し曲がっていた方が元来の形に近いかもしれない。ロボット支援下手術はその微妙な違いに対応することが可能ですが、通常の手術より有益かは、まだ明確に証明されていません。

 今のところ、ロボット支援下手術を行った患者さんの術後の回復が早いことは実感していますが、痛みや違和感についての患者さんの感想を数値化する具体的な評価はこれから。本当に患者さんのためになるかを検証していきます。


―後進の育成や、100周年への展望について。

 臨床力を高めることはもちろん重要ですが、私はスタッフに「手術がうまいだけではいけない」と伝えています。

 臨床データを蓄積して研究・発表することで、臨床にも深みが出ると考えており、てこ入れした結果、徐々に論文数が増えてきました。育成面では、「屋根瓦方式」で中堅は若手に、若手は研修医に、学んだことを積極的に教えるようにしています。後輩に教えることは、自身の喜びやアイデンティティーの深化にもつながります。

 3年後の100周年を、組織に対する帰属意識や誇りを高める契機にしたいと考えています。当大学出身のスタッフは少数なので、学会の主催や論文の発表を積極的に行って新たな実績をつくり、それを発信して外部から認知されることで、誇りを持つことにつなげていけたらと思っています。


東京女子医科大学
東京都新宿区河田町8―1 ☎03―3353―8111(代表) http://www.twmu.ac.jp/TWMU/Medicine/RinshoKouza/061/

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