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徳島大学大学院医歯薬学研究部 神経外科学分野 高難度の外科治療を安全に

徳島大学大学院医歯薬学研究部 神経外科学分野 高難度の外科治療を安全に

髙木 康志 教授(たかぎ・やすし)
1991年京都大学医学部卒業。
同附属病院脳神経外科、理化学研究所発生再生医学研究センター研究員、
京都大学大学院医学研究科脳神経外科准教授などを経て、2017年から現職。

 「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」(・循環器病対策基本法)の成立から約2年半。徳島大学大学院医歯薬学研究部脳神経外科学分野は、脳卒中患者の治療や脳動脈静脈奇形、もやもや病などの高難度脳血管病変の外科的治療にも積極的に取り組む。地域を脳血管疾患から守る、同教室の取り組みは。

―診療面の特徴を教えてください。

徳島大学病院の救急集中治療部は、常駐する集中治療専従医が患者の状態を管理、治療方針を決定し、各診療科の医師が連携する「closed ICU」が特徴ですが、この救急集中治療部の中に、脳神経外科が中心となって管理するSCU(脳卒中集中治療室)9床を保有しています。脳血管エックス線撮影装置などを備えたハイブリッド手術室もあり、安全性を追求した最新の治療が可能となっています。

 当大学病院には、国立大学病院としては珍しく、数多くの急性期脳卒中患者が入院します。脳梗塞患者に対しては、t―PA療法だけでなく、経皮的血栓回収治療も、積極的に行っています。
 また、脳腫瘍の治療に関しても、中国・四国地方有数の経験を有しています。


―最近のトピックは。

 私の専門である「脳動静脈奇形(Cerebral arteriovenous malformation=AVM)」や「もやもや病」などの高難度脳血管病変に対する外科的治療が挙げられます。

 AVMは、通常は毛細血管を介してつながる脳の動脈と静脈が、先天的に直接つながり、その部分が血管のかたまり(ナイダス)になる血管奇形です。20代〜40代の脳出血やくも膜下出血の原因にもなります。

 私たちはAVMに対して、最新ソフトウェアを使った術前3Dシミュレーションを実施し、複雑に入り組んだ血管の状態を確認。さらに、術中には脳血管撮影やインドシアニングリーン血管造影を駆使して、ナイダスを取り除きます。

 日本人に多い原因不明の進行性脳血管閉塞症「もやもや病」に対しても、これまでの豊富な経験を元に、直接バイパス術を用いた高難度の治療を行っています。


―教育の特徴は。

 徳島大学大学院医歯薬学研究部脳神経外科学分野は、1974年に設立されました。四国で最も古い脳神経外科教室です。

 強みの一つは、古い教室であるがゆえの層の厚い教室員と、徳島県内外にある数多くの関連病院です。

 教育面では、屋根瓦方式を採用し、後期研修医(専攻医)は主治医2人体制で研修を始めます。研修開始半年後〜1年後には、症例数の多い関連病院での研修をスタート。幅広く経験を積んだ後、脳神経外科専門医試験を受ける1年前に大学病院に戻って研修を続け、脳神経外科専門医の資格を取得します。

 大学病院では、高難度病変に対する治療を経験すると同時に、手術に対する考え方、リスク管理などを論理的に考えていくトレーニングを積んでもらいます。

 また、専門医取得後は、大学院進学による医学研究も勧めています。研究経験によって、エビデンス創出の仕組み構築や論理的思考のトレーニングを行うことは、その後の臨床にも必ず役立つと考えています。
 
 2024年度には、医師の時間外労働にも上限規制が適用されます。来るべき「働き方改革」に向けて、まずは当直、オンコール体制の再構築とカンファレンス、主治医システムの再整備を行っているところです。まだまだ、脳神経外科としては、解決すべき問題があると考えています。

 教室の運営において、尊重しているのは、教室員の自主性と判断。それぞれのライフスタイルや将来設計を考慮した勤務を提案できるように心がけています。


徳島大学大学院医歯薬学研究部 脳神経外科学分野
徳島市蔵本町3-18-15 ☎088―631―3111(代表) https://www.tokushima-nougeka.com/

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