九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

大学病院の役割を果たし 職員一丸でコロナを乗り切る

大学病院の役割を果たし 職員一丸でコロナを乗り切る

大阪市立大学医学部附属病院
(ひらた・かずと)
1978年大阪市立大学医学部卒業。
カナダ・シャーブルック大学医学部薬理学教室、
大阪市立大学医学部・医学研究科呼吸器内科学教授、
同附属病院副院長などを経て、2018年から現職。


  未知の感染症に対し、病院全体で一丸となり挑んできた大阪市立大学医学部附属病院。新型コロナウイルス感染症の重症患者受け入れに始まり、疲弊する職員のケアなど、どのように対応してきたのか。平田一人病院長に話を聞いた。


―患者の受け入れについて。

 これまで設備、人員、防護具などの備品を確保しながら新型コロナウイルス感染症対応の体制整備を行い、感染防止対策を徹底してきました。大阪府からの重症患者受け入れ要請に伴う病床の確保に当たっては、病棟の改修工事、陰圧個室の増設、院内感染防止のためのゾーニングを行い、10床から21床まで段階的に病床を増床し、対応してきました。

 しかしながら、そのために本来当院が果たすべき特定機能病院としての機能を、一部制限せざるを得なかったことが、最も苦慮した点です。診療・手術の制限、3次救急医療の一時的な停止、一部病棟閉鎖を実施。さらには重症患者受け入れ病棟への医療従事者の配置や大阪コロナ重症センターへの応援要員派遣などの調整で、大幅な配置転換が必要となり、職員に精神面、体力面でも大きな負担を強いることとなりました。

 この困難を乗り越えるために極めて重要となったのが、病院内での結束です。刻々と状況が移り変わる中で、対策の核となったのが「新型コロナ対策室」による会議での情報の一元管理と共有です。毎朝のコア会議では、課題の抽出や対策検討を行い、毎週の全体会議では院内の中心メンバーと最新情報を共有するとともに、電子カルテでは音声付きで会議資料を公開。院内でのさまざまな対策について全体に周知することができ、職員が一丸となって困難を乗り越えることができました。


―職員へのケアは。

 先行きが見えない闘いは、気が付けば1年以上と長期間に及び、職員も疲労困憊(こんぱい)してきています。その中で気持ちの支えになっているのは、「高度医療を担う大学病院が新型コロナと前面に立って闘う役割を果たさねばならない」という大学病院職員としての使命感です。また、医師も外科・内科のワンチームで協力し合いながら医療提供ができたことがモチベーションの維持にもつながりました。

 職員のメンタルケアについては、神経精神科によるホットライン(専用窓口相談)の設置や、REDCapシステム(WEBブラウザ上でデータの収集および管理が可能)でアンケート形式による日々の体調管理を実施。細やかなケアで安心して業務に専念できる体制を構築しました。


―今後は。

 大学病院として受け入れ病床はこれまで以上に確保しながらも、特定機能病院の役割を果たすことが重要と考え、現在は3次救急や、診療・手術の制限解除などの機能回復に努めています。

 今後は、ワクチン接種の体制をいかに構築できるかが重要です。既に大阪府や大阪市からの要請に応え、集団接種の会場や、大阪市立大学・大阪府立大学の学生、教職員に対する職域接種へ多数の医師を派遣しています。ワクチン接種への協力体制を構築することを通じて、、府民・市民へ医療を提供できるよう努力していきたいと考えています。

 第4波ではこれまでにないスピードで患者の数も増加しましたが、常に緊張感を持ちながら診療に当たってくれた職員、感染予防対策にご協力を賜った府民・市民のおかげで、なんとか乗り越えることができたことを、心から重ねて感謝申し上げます。今後は第5波に対応しつつ、withコロナ時代を乗り切っていきたいと考えています。

 これからも特定機能病院として、、手術、悪性疾患対策を基盤に、安全で質の高い最新の高度医療の提供に取り組み、新型コロナとも闘い続けていきます。


大阪市立大学医学部附属病院
大阪市阿倍野区旭町1―5―7
☎06―6645―2121(代表)
http://www.hosp.med.osaka-cu.ac.jp/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram did not return a 200.

コメントはこちらから

[contact-form-7 404 "Not Found"]
メニューを閉じる