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大阪医科薬科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室 一貫した診断・治療で耳下腺腫瘍に取り組む

大阪医科薬科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室 一貫した診断・治療で耳下腺腫瘍に取り組む

河田 了 教授(かわた・りょう)
1984年大阪医科大学(現:大阪医科薬科大学)卒業。
米カリフォルニア大学ロサンゼルス校、京都府立医科大学耳鼻咽喉科学教室講師、
京都第一赤十字病院、大阪医科大学耳鼻咽喉科助教授などを経て、2010年から現職。

 2021年4月に大阪医科大学と大阪薬科大学が統合し、医療系総合大学となった大阪医科薬科大学。・頭頸部外科学教室は、河田了教授を中心に、耳下腺腫瘍の手術治療に注力し、全国から患者が集まっている。教室について話を聞いた。


─特徴を教えてください。

 ・頭頸部外科領域の幅広い領域をカバーし、特に専門性の高い手術治療に力を入れています。

 耳下腺腫瘍は教室が取り組むべき疾患の一つで、手術数はここ数年、年間100例程度で推移しています。多くの症例データを集積しており、臨床統計からエビデンスを求めて論文化し、研究を進めています。

 当教室の大きな特徴は、医局での報告や連絡を密にし、全員が一致して診断・治療を行っていることです。新患の場合は、初診を受けた後に、専門外来へ振り分け、治療方針を決定します。診断や治療方針の決定、手術など重大な局面では、必ず幾重にもチェックをしています。これらによって、臨床統計もより信頼性が高くなっていくので、研究面にも大きなプラスが生まれています。

 医局全体で情報共有し、同じ診断・治療を行うことは、教育面、特に卒後教育でも非常に重要です。最新のエビデンスに留意しながら、症例検討会や研究会を通して、1例1例を大事にし、教育を行っています。


─現在の課題は。

 社会の流れに即して、医師の世界にも労働時間短縮の流れがあります。今後、医師の人数が急に増えることはないため、ワーキングシェアが必要です。薬剤師や栄養士といったメディカルスタッフや医療クラークにも力を借りなくてはならないと考えています。

 2021年4月1日、大阪薬科大学と統合し、大阪医科薬科大学に名称を変更しました。医学部、薬学部と看護学部が併設された医療系総合大学です。今後は、薬学部や看護学部を卒業後、大学病院で働く人も増えてくると思います。今や医療は医師を頂点としたピラミッドではなく、多職種連携型となっています。これを機に、医師と薬剤師、看護師が対等な関係で働くことを目標にしています。

 人材については、・頭頸部外科の魅力をどう伝えるかが難しい問題です。大学病院では外科領域を扱うことが多いのですが、開業医は内科領域を扱うことが多く、ギャップがあります。

 外科から見た魅力は、耳や鼻、首、喉に関するさまざまな手術があること。そして、顕微鏡下手術など1人でできる手術が多いこと。例えば、生活の変化などでフルタイム勤務が難しい場合に、少人数の病院で術者として続けていくことも可能です。もちろん、アレルギー専門医を取得し、内科的分野を選ぶこともできます。選択肢が幅広いことは、当科の魅力でもあると思います。

 医師としてどのような選択をしても、教育によって、科学的な知識や論理的思考をきちんと身につけるべきだと考えています。臨床は各自の経験に頼る部分もありますが、若いうちは先輩医師の下で臨床経験を積み、研究を行うことで、論理的思考ができる医師を育てたいと思っています。


─今後の展望は。

 耳下腺腫瘍は発生頻度こそ低いものの、顔面の神経にも関わる疾患で、患者さんのQOLに大きく影響します。頭頸部外科では症例数が重要視されますが、長年かけて、耳下腺腫瘍の症例が集まりましたので、今後はその成果を還元しなくてはならないと思います。論文化して「世に問う」ということを、ぜひやっていきたいと思います。

 教育面では、手術手技の指導にも力を入れており、手術手技指導を行う機会も設けていました。コロナ禍が収束したら、こちらも再開しようと考えています。


大阪医科薬科大学 ・頭頸部外科学教室
大阪府高槻市大学町2─7 ☎072─683─1221(代表) http://oto-osaka-med.jp/

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