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リハビリ組み合わせ 高い在宅復帰率を維持

リハビリ組み合わせ 高い在宅復帰率を維持

社会医療法人令和会 熊本リハビリテーション病院
桑原 公倫 (くわはら・こうりん)
1997年島根医科大学(現:)医学部卒業。
熊本市立熊本市民病院、熊本リハビリテーション病院整形外科部長、
院長代行、副院長などを経て、2020年から現職。


 熊本リハビリテーション病院の病院長に桑原公倫氏が就任して、1年が経過した。これまで取り組んできた異なるリハビリテーションの要素を組み合わせて相乗効果を狙う「ハイブリッド・リハビリテーション」の概要や、今後地域で果たしていく役割について聞いた。

─「ハイブリッド・リハビリテーション」とは。

 従来の徒手的な機能回復訓練に加えて、技術や器具を組み合わせ、効果の最大化を図るリハビリテーションの手法です。内容は集団での起立訓練や促通反復療法、脳卒中については独自のアルゴリズムを活用した装具療法、器具は歩行をアシストする訓練機器、機能的電気刺激装置などがあり、患者さんの疾患や状態に応じて組み合わせています。

 「ハイブリッド・リハビリテーション」という名称は、当院が独自につくり、提唱しています。それぞれの技術や機器は以前からあるものですが、冠することで、より強く打ち出していくという思いで行っています。

 ハイブリッド・リハの有効性はデータにも表れています。ADL(日常生活動作)の評価法の一つであるFIM(機能的自立度評価法)について、2020年度は入院時に74・6点だったのが、退院時には102・4点にアップ。同年度の在宅復帰率は87・1%で、全国平均より高くなりました。

 その年ごとにさまざまな事情で多少の波があるのはやむを得ませんが、直近5年ほどの当院の在宅復帰率は80%台後半なので、これを維持しつつ、90%台を目指したいと思っています。

─再生医療にも取り組んでいます。

 脂肪組織由来の再生幹細胞を用いた再生医療を2017年から始めました。重症下肢虚血の患者さんの足を切断するのをどうにかして回避する方法がないかと模索し、血管新生療法を開始したのが、当院で再生医療に取り組み始めたきっかけです。

 現在、重症下肢虚血に加えて脊髄損傷、脳卒中後遺症、変形性膝関節症を対象に行っています。症例数の中で最も多いのは脊髄損傷で、これまでに40人弱に施術してきました。

 2021年度は月に2例以上、年間トータルで24例の施術数を目標にしたいと考えています。

─今後の展望は。

 この地域で当院に求められている役割は、回復期でしっかりとリハビリをして、住み慣れた場所に帰っていく患者さんをいかに増やせるか、ということだと捉えています。今後高齢者の占める割合がより多くなっていく中で、限られた医療資源の有効活用を考えると、より多くの方を在宅に戻していくことが必要だと考えています。

 患者さんはハンディキャップがある状態で退院するので、その後のフォローが欠かせません。患者さんのフォローと並行して、介護者の方々の負担も減らしていく必要があります。当院では、在宅を支える仕組みを充実させることを最優先で進めていかなければならないと考え、2年前に強化を目的として在宅部門を組織改編し、生活リハセンターとしました。現在は、訪問リハビリテーションの必要がある方の洗い出しなどに着手しています。

 ただ、在宅部門はコロナ禍の影響をかなり大きく受けました。私たちが訪問するのに制限が加わり、退院された方がリハビリのために通院するのも緊急事態宣言中には一時中断するなど、この1年は新型コロナウイルス感染症の状況に大きく左右され、対応に追われて過ぎていきました。

 とはいえ、当院の近隣で回復期の病床を数多く持っている医療機関は多くありません。骨折や脳卒中など特に社会復帰に時間を要する患者さんを中心に受け入れることで、引き続き地域の中で役割を果たしていきたいと考えています。


社会医療法人令和会 熊本リハビリテーション病院
熊本県菊陽町曲手760
☎096─232─3111(代表)
https://kumareha.net/

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