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多様な施策を展開 宮崎県北の医療を支える

多様な施策を展開 宮崎県北の医療を支える

宮崎県立延岡病院
寺尾 公成 院長(てらお・きみなり)
1983年熊本大学医学部卒業。
国立熊本病院(現:独立行政法人国立病院機構熊本医療センター)、
宮崎県立延岡病院産婦人科部長、医療連携科部長、副院長などを経て、2019年から現職。


 宮崎県北部の地域医療の中核を担う宮崎県立延岡病院。5月に集中治療センターがリニューアル開設され、県内初の救急車型ドクターカーも配備された。医師の業務負担の軽減にも乗り出すなど多様な取り組みを展開している。

─集中治療センターをリニューアル開設した狙いは。

 当院は、限られた医療資源を有効活用するため、複数の診療科が共同で医療を展開することを目指す「センター構想」の下、救命救急、心臓脳血管、周産期、消化器、呼吸器の5センターを設けており、2021年5月に六つ目となる集中治療センターをリニューアル開設しました。

 当院の集中治療センターは4床の病床を有しており、従来、一つのスペースで4人までの重症患者管理を行っていたのですが、新型コロナウイルスによる重症肺炎への対応の必要性から、陰圧隔離管理ができる前室付き隔離スペースをセンター内に設置しました。

 コロナの重症例の治療を担いながら、コロナ以外の診療も維持するためには、感染リスクを低減しながら治療に当たる必要があります。着手から1カ月ほどと急ピッチで「救命のための壁」をつくり、コロナと非コロナの重症患者を同時に管理できる仕切られた空間をつくりました。

 ちなみに、重症コロナ肺炎に対するECMO管理も1人までであれば可能です。また、集中治療センターに専従医を配置するなど、ソフト面からの機能充実も図りました。

─救急車型ドクターカーを配備した背景は。

 これまで、延岡市消防本部と連携してピックアップ型のドクターカーを運用していました。3年間で約130回出動しましたが、市消防本部の緊急車両がいったん当院へ立ち寄ってから現場に出動するので、到着までに時間を要し、出動範囲は延岡市内に限られていました。ドクターヘリは天候などによる運航上の制約があることがネックとなっていました。

 延岡市外も含めた県北地域をカバーして、救命率を上げるために、救急車型のドクターカーを4月19日から配備しました。県の事業として、車両の購入費などに約4300万円を計上しました。

 これまでは携行できなかった人工呼吸器、簡易採血検査機器、生体監視モニター、画像転送システムなどを搭載。病院に到着するまでにできることが増え、より高度な治療が可能になりました。

 ドライバーの確保に苦心しましたが、延岡市などに何度も要請を重ねて、市消防本部と民間業者からの2人体制を確立しました。現在のところ、運用は平日の日中の時間帯に限っています。6月末までに57回運用し、県北地域のさまざまな市町村へ出動しました。

 救急車型のドクターカーの導入で、ドクターヘリを含めた「攻めの救急」の体制がより強固なものになりました。県北の医療を支える上で画期的な出来事で、隔世の感があります。

─医師の働き方改革についての取り組みは。

 6月から、救命救急科の医師が1人増員になったことにより、救命救急センターの当直制を勤務制に切り替えました。看護職の勤務形態を参考にするなど、試行錯誤しながらその都度、問題点を洗い出して改善していきます。

 その他、医師の負担軽減のために、医師事務作業補助者からなる「臨床支援科」を新設しました。医師の労務軽減を図る特化型の職能集団として、現在は16人体制ですが、近い将来には30人規模に倍増させる方針です。

 医師の数は、私の院長就任時の2019年から徐々に増え、現在は67人になりました。今後も補って助け合い、科学と情熱の融合である医療を地域住民の皆さまに届けていきます。


宮崎県立延岡病院
宮崎県延岡市新小路2─1─10
☎0982─32─6181(代表)
https://nobeoka-kenbyo.jp/

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