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積極的リハを確かな知識で    患者さんに寄り添う医療を

積極的リハを確かな知識で    患者さんに寄り添う医療を

医療法人ちゅうざん会 ちゅうざん病院
尾川 貴洋 院長(おがわ・たかひろ)

2007年和歌山県立医科大学医学部卒業。同大学附属病院、英ラフバラー大学、
ちゅうざん病院リハビリテーション部部長などを経て、2019年から現職。


 リハビリテーション専門病院として、地域の回復期医療を担うちゅうざん病院。臨床教育を重視し、職員の教育・研究の場を充実させることで、医療・介護サービスのさらなる質の向上を図っている。

─病院の特色は。

 沖縄初のリハビリ専門病院として1984年に開設。「患者さんのための病院」「地域に開かれた病院づくり」を掲げ、質の高い医療と介護の提供に努めてきました。積極的なリハビリを推進し、運動の重要性を広く発信しています。

 リハビリが必要な患者さんを、症状の程度にかかわらず受け入れています。重症の患者さんであっても、寝たきりにはさせません。徹底したリスク管理下でのリハビリを実施しています。

 新型コロナウイルス感染症から回復した患者さんも同様です。運動により肺の機能だけでなく、免疫力も上がることが報告されています。循環動態や呼吸に異常がない限り、どんどん動いてもらっています。

 介護予防にも力を入れています。地域の介護予防事業では、高齢者ほど運動が必要であることを訴え、日常生活に取り入れやすいリズム体操や筋力トレーニングを提案。また、学校の定期健康診断に参加し、成長期における体づくりを指導しています。

 私たちは障害者のかかりつけ医でもあります。障害のある方は病気になりやすく、けがもしやすい。私自身、障害者スポーツに携わった経験を生かし、障害者の皆さんが運動を楽しむことで体が強くなり、健康的な生活を送れるよう支援しています。

─臨床教育研究センターを新設されました。

 積極的なリハビリを推進する上で欠かせないのが、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのセラピストの確かな医学的知識です。「足が悪いから足を動かす」とか「手が動かないから手の訓練をする」といった短絡的な考え方ではリハビリはうまくいきません。「なぜ足が悪いのか」「なぜ手が動かないのか」を突き詰め、医学的知識に基づいて実施するセラピストであることが大切です。

 ただし、スタッフがそれぞれに自分の専門領域に詳しいだけでは、チーム医療は成り立ちません。効果的なリハビリを行うには、例えばセラピストが栄養学に通じている必要があり、逆に管理栄養士にセラピストの知識が求められることもあります。

 リハビリに関する医学的知識を深掘りし、さらにその幅を広げるための場が「臨床教育研究センター」です。現場からの要望もあり、2021年2月に立ち上げました。

 もとは図書室だった部屋に大型モニターやホワイトボードを設置し、学びやすい環境を整備しました。センターの所属研究員は20人ほどで、論文の制作、発表を意欲的に行っています。全職員対象のオンライン勉強会には、毎週100人近くが参加。「心電図の見方」や「介護保険について」など、あらゆる職種の業務に役立つテーマで開催しています。

─人材の育成について。

 いかに良い人材を教育・育成するかは、チーム医療の要です。例えば、肺炎の患者さんは「退院後の肺炎も予防できるような体づくりをしているか」と、セラピストに指導します。今の肺炎が治ったとしても、肺炎になりやすい体のままであれば、患者さんが本当に回復したとは言えないと思います。

 「患者さんがどうすればもっと良くなるのか」という問いに、終わりはありません。臨床における「もっと知りたい」を喚起し、学び、研究できる環境が身近にあること。課題を共有し、議論し合う仲間がいること。その上で一歩先の「患者さんのため」を追求する姿勢そのものが、より良い医療・介護の提供につながっていくと信じています。


医療法人ちゅうざん会 ちゅうざん病院
沖縄県沖縄市松本6─2─1
☎098─982─1346(代表)
http://www.chuzan.or.jp/

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