九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

鳥取大学医学部 脳神経内科学分野 地域医療を支え 急性期疾患から神経の診断・治療にも尽力

鳥取大学医学部 脳神経内科学分野 地域医療を支え 急性期疾患から神経の診断・治療にも尽力

花島 律子 教授(はなじま・りつこ)
1990年横浜市立大学医学部卒業、1992年東京大学医学部神経内科入局。
カナダ・トロントウエスタン病院、
北里大学医学部神経内科診療准教授などを経て、2017年から現職。

 1962年に設立された鳥取大学脳神経内科教室は、国内でも歴史がある脳神経内科教室の一つだ。神経難病をはじめとするあらゆる疾患を対象に、地域における「最後の砦(とりで)」となるべく尽力している花島律子教授に、現状と展望を聞いた。

―歴史がある教室です。

 県に一つしかない大学病院であり、基幹病院として、地域医療を支えることを使命に掲げています。脳卒中やてんかん、神経難病などあらゆる神経に関係する疾患に対応しています。

 当院に「鳥取県難病相談・支援センター」が、県から委託され、神経難病の地域における難病医療体制の整備、患者さんへのきめ細かな相談・支援に取り組んでいます。病理学的な診断や専門的な検査を実施し、早期治療が望まれる脳卒中にいち早く対応できる診療を救急、脳神経外科と協力して行っています。

 教室では、神経変性疾患のバイオマーカー検出、神経生理学的解析、筋萎縮性側索硬化症の動物を使った検査研究、脳卒中の重症化要因など、さまざまな研究をしています。

 臨床では、「脳とこころの医療センター」を設置して、脳神経内科と脳神経外科、精神科、脳神経小児科が隣接した場所で診療を行っています。例えば、脳卒中の患者さんの治療においては脳神経外科と一緒に、気軽に相談ができる環境があることは良い効果をもたらしていると思います。

 脳神経内科では、リハビリや地域連携も重要です。慢性的な病気が多く、後遺症が出る場合もあり、素早く回復期リハビリ病院へ橋渡しする仕組みを整えています。

―脳神経内科の魅力は。

 もともと脳の仕組みに興味があり、器質的に解明することが自分に合っているのではないかと、脳神経内科を選びました。人間の根幹に関わる分野でありながら、まだ解明できていないことが多いところに、魅力を感じずにいられません。

 学生の頃は、脳神経内科の領域は、今よりずっと分からないことが多い分野でした。医学の発展により、以前なら治癒せずに寝たきりになったものが、診断がつくようになり、さらに一歩進んで、薬剤の新規開発が盛んに行われています。

 既に確立された分野で技術を磨いていくのも素晴らしいと思いますが、研究や治療の進化が著しい脳神経内科は、興味が尽きません。遺伝子治療の研究が進んでいますし、パーキンソン病や免疫系疾患では有効な薬が増えており、治療に使える選択肢が増えました。

 難病を扱うイメージから敬遠されることもありますが、難しいからこそ専門知識や技術が生かせるのではないかと思います。画像診断や血液検査の結果だけでは分からない病気が多いので、診察で患者さんの症状をよく見て、症状から逆算して組み立てて推測をしていく。そこが、人間を扱っているという感じがして、面白いと思います。

 神経はまだ謎に満ちています。この道を目指す人たちには、臨床も研究も、自分の視点を持って取り組んでほしいと思います。自分で謎を見つけて自主的に解決していく姿勢を、身に付けてほしいですね。

―就任から4年、今後は。

 入局者が少しずつ増えているものの、県内では脳神経内科医の派遣要請が多く、さらに専門医を増やしていきたいと考えています。

 県内唯一の医学部ということもあり、行政も非常に協力的です。医学部では、米子市で学生がボランティア活動や清掃をして、地域との交流を進めていることから、地域の方からの理解が深まり、さまざまな交流も生まれています。

 人材や医療の体制が整ってきましたので、研究では新しいことを打ち出していくつもりです。多くの方の協力が必要な大規模な調査などに、取り組んでいけたらと思います。

鳥取大学医学部 脳神経医科学講座 脳神経内科学分野
鳥取県米子市西町36─1 ☎0859─33─1111(代表) https://neurol.med.tottori-u.ac.jp/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram did not return a 200.

コメントはこちらから

[contact-form-7 404 "Not Found"]
メニューを閉じる