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若手が夢を持ち 学べる環境を

若手が夢を持ち 学べる環境を

東北大学大学院医学系研究科 外科学病態学講座 整形外科学分野
相澤 俊峰 教授(あいざわ・としみ)

1989年東北大学医学部卒業。
いわき市立総合磐城共立病院(現:いわき市医療センター)、釜石市民病院、
東北大学大学院医学系研究科外科学病態学講座整形外科学分野准教授などを経て、2021年から現職。


第7代教授に就任した相澤俊峰氏は、どの地域の住民も高水準の医療を等しく受けることができる医療提供体制の構築を目指す。さらには、教室の成果を世界に積極的に示す発信力の強化に努めていく。

関連病院と連携し 医療と教育の充実を

 東北地方の整形外科の中核として貢献し、宮城県のみならず、岩手県、山形県、福島県に約50の関連病院を有する整形外科教室。就任に際し、課題となっているのが、医療レベルの地域格差の是正。これは自身の体験に基づいている。

 「小学生の時、肘を骨折。近くに整形外科がなく、他科で受診しました。肘が完治せず、医師になって自分で写真を撮ると偽関節であることが判明、6年前に手術をしました。整形外科医不足によるこのような事例の発生を、可能な限り防ぎたいと思います」

 そのためには医師不足の解消が必要だ。そこで、医師を基幹病院に集約し、先端医療の提供と同時に、専門性の高い教育体制の構築を目指す。

 「基幹病院は指導医のレベルが高く、症例数も豊富です。医師を集約することで各自に余裕が生まれ、研究や技術を習熟する時間が生まれます。退官までの8年間を費やし、若手が夢を持って、自分がやりたいことを成し遂げるための環境を整えていきます」

最初の志望はスポーツドクター

 整形外科医を目指すきっかけとなったのは、高校2年の時のけが。バドミントン部に所属し、インターハイに出場するなど期待されていた選手の一人だったが、練習の最中に足首に強い衝撃が走り、急いで開業医に駆け込んだ。

 「看護師さんが、私の足を見て『アキレス腱が切れているから、バドミントンはもうダメね』と言ったのです。その一言で、夢が粉々になりました」

 スポーツ選手の気持ちを理解しないことにショックを受けると同時に、選手の気持ちを理解した上で医療を提供できる、スポーツドクターになろうと、東北大学医学部に進んだ。

 専門は脊椎。しかし、スポーツ選手をサポートしたいという思いを持ち続けた。教授就任と同時に開設したスポーツ外来には、そうした思いが込められている。「仙台にはプロスポーツチームがあり、スポーツが好きなスタッフは自分の時間を費やして支援に当たっています。医局もそのサポートを行いたいと思います」


論文数を底上げし発信力を強化する

 国内外から評価を得るTNS合金を用いた人工関節など、工学部や産業界との連携による研究が活発に行われている。そのプレゼンスをさらに高めるため、論文総数の底上げを含む発信力の強化にも力を注ぎたいと語る。

 臨床に追われる若手医師が時間を割けずに論文を書かない、そのうち書けなくなるという悪循環を断ち切る対策として、論文作成のノウハウを先輩医師が指導する試みも始めている。「教室の力を測る指標として論文数が重視される傾向から、エポックメーキングな事柄は必ず英語論文で発表することが非常に重要なことだと考えています」

 今後は、歩行解析、肩凝りの研究を行っていきたいという。「胸椎後縦靱帯骨化症の術式の工夫に取り組む中で気づいたのが、分かっていると思い込んでいた歩行が、実はよく分かっていないことでした。歩行の解析をさらに追求していきます」

 肩凝りは、これまで整形外科で治療を十分に提供できていない分野だった。「凝りの判断はこれまで自覚症状だけでした。これを定量化することができれば、計測が可能になり、治療効果の判断ができます。その評価ができる方法を確立したいと思っています」



東北大学大学院医学系研究科 外科学病態学講座 整形外科学分野
仙台市青葉区星陵町1-1 ☎︎022ー717ー7000(代表)
https://www.ortho.med.tohoku.ac.jp/

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