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設備投資や環境改善で 若手医師に選ばれる病院に

設備投資や環境改善で 若手医師に選ばれる病院に

医療法人住友別子病院
鈴木 誠祐 理事長・院長(すずき・せいゆう)
1983年岡山大学医学部卒業、同第1内科入局。
住友別子病院(現:医療法人住友別子病院)診察部長、
同副院長などを経て、2013年から現職。

 住友グループの礎を築いた別子銅山の診療所として、1883年に開業。以降、愛媛県東部の基幹病院として地域に貢献してきた住友別子病院。2016年に新病院が完成し、再スタートを切った。

─新築して5年を迎えました。運営の現状は。 

 医療情勢の変化に応じて追加の設備投資を続けてきました。2018年には高性能のDSA(血管撮影装置)を2台体制にして365日24時間、循環器系の救急に対応。カテーテルアブレーション治療も開始しました。同時期に手術支援ロボット「」も導入し、泌尿器科、外科領域で手術件数を伸ばしてきました。

 劇的に変わったのは、若手医師が増えたことです。以前は年1~2人だったのが常時、初期研修医5~6人、専攻医4人が在籍するようになり、急性期医療への対応力が大幅に向上。それを反映し、救急搬送件数は40%増、手術件数も25%増となりました。

 一方、設備投資の減価償却費は年間8億円。当初は赤字続きで非常に心配しましたが、20年は新型コロナで前半落ち込んだものの後半盛り返して収支のバランスも改善し、21年度は黒字化を目指しています。ようやく全体がスムーズに回り出し、これからは伸びていくと感じています。

─診療機能向上に向けた取り組みについて。

 がん診療、急性期医療、回復期リハビリテーションが運営の3本柱です。がんに関しては、がん診療連携拠点病院として県東部の中心的役割を担っており、化学療法センターは14台のベッドがフル稼働の状態です。さらに緩和ケアの充実を目指して現在、緩和病棟を増築中。21年9月に開設予定で、20床程度からスタートするつもりです。

 急性期医療は、救急搬送の受け入れ拡大のため、当直システムを見直しました。内科系・外科系の2人体制とし、2・5次までカバーしています。試験運用がうまくいったので、21年4月からは毎日この体制で取り組んでいます。新居浜地域では医師の高齢化が進み、どの病院も救急受け入れが困難な状況でしたが、これで地域の皆さんの安心感が増したのではないでしょうか。

 回復期リハビリテーション病棟は40床で運用。術後の患者さんを3カ月で自宅にお返しできるよう努力していますが、回復期病床は地域全体で不足しており、常に満床状態。人的余裕があれば、もう少し増床したいところです。

─今後の課題は。

 愛媛県東部の基幹病院として質の高い医療を提供するために設備投資した結果、ハード面は整いました。次はソフト面。人材の確保が一番の課題です。

 医師は、若手が増えています。初期研修医の応募は増えていますが、定員は増やさず、指導を充実することでより良い研修につなげたい。ただし、全体の医師数は充足しておらず、医師の確保は課題です。また、看護師不足を少しでも解消するため、奨学金制度を充実しました。

 働き方改革に向けての取り組みも必須です。一つはタスク・シェアリング。医師は秘書、看護師は病棟薬剤師や理学療法士などとの役割分担を進めています。

 定着率を高めるために、長時間労働の防止策にも取り組んでいます。当直翌日の医師は極力帰宅してもらい、代休取得も積極的に推進。看護師のユニフォームは、日勤と夜間帯の2パターンに一新します。勤務中かどうか判別できることで、少しでも残業を減らせるよう取り組みます。

 働き方改革の基本は、あいまいになりがちなオンとオフを区別し、疲弊しない仕組みをつくることです。実現しなければ、特に若い人は続きません。良いことも悪いこともSNSであっという間に広がる時代です。職員の満足につながる工夫を、一つずつ実現していきたいと思います。

医療法人住友別子病院
愛媛県新居浜市王子町3―1
☎0897―37―7111(代表)
https://www.sbh.gr.jp/

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