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統合再編に向けてを発揮できる環境を

統合再編に向けてを発揮できる環境を

市立伊丹病院
筒井 秀作 (つつい・しゅうさく)

1986年大阪大学医学部卒業。
同大学医学部第二内科、同大学大学院医学系研究科消化器内科学講師、
市立伊丹病院副院長などを経て、2021年から現職。


地域の中核病院として新型コロナウイルス感染症への対応に追われる市立伊丹病院。公立学校共済組合近畿中央病院との統合再編を控える中、4月に病院長に就任した筒井秀作氏に、抱負とビジョンを聞いた。

新たな基幹病院の礎をつくる

 10年間、副院長として消化器内科の診療に携わり、内視鏡センター長、臨床研修センター長を兼務して病院の屋台骨を支えてきた。超高齢社会の到来や働き方改革の推進、医師の偏在問題といった現在の社会情勢を見据え、今後もこの地域に合った医療をつくっていきたいと考えている。

 中でも、地域医療体制の維持・構築は、市立病院にとって重要な課題だ。
 「約175万人が暮らす阪神医療圏において、伊丹市が属する阪神北準圏域は、3次救急を担う病院がなく、阪神南圏域と比較して循環器疾患やがんに関する高次の医療提供体制も十分に整備されているとは言い難い。阪神北準圏域に、高度医療を担う病院をつくらなくてはならない状況です」

 1983年に移転開設されてから約40年。老朽化が進む市立伊丹病院は、公立学校共済組合近畿中央病院と統合再編し、2025年度に新たな基幹病院として開院する予定だ。「両病院の力を合わせ、地域の中核となる病院をつくりあげていくことが、私の役割の一つです」と、抱負を語る。

救急体制の強化と先進的医療への挑戦

 今後注力したい点として、救急医療対応を挙げる。2019年までの救急車受け入れ台数は年間4000件を超え、救急搬送を断る件数は数%にとどまっていた。しかし、新型コロナウイルス感染症患者や、感染疑いの患者を受け入れた2020年は、感染予防対策のため、通常よりも外来救急診療に時間を要し、受け入れを断らざるを得ないケースも。

「2020年の救急車受け入れ台数は約3400件になりました。今後、地域で何があっても医療を受けられる体制を構築しなくてはならないと考えています」

 一方、2021年度は、手術支援ロボット「」を導入。5月には院内1例目となる前立腺全摘術を終えた。「より低侵襲で術後の負担が少ないメリットがあります。高度な医療に力を入れていきたいですね」

 先進的な医療機器が導入されることで、現場の医師や医療スタッフがトレーニングを受け、研さんを積むことができるというプラス面にも注目。研修にも活用できるため、若い医療人が病院に興味を持ち、定着するきっかけとなる効果も期待している。

あらゆる職種が活躍できる環境を

 病院長としては、さまざまな職種のスタッフが専門性を存分に発揮できる環境を目指している。

 「当院には、職種の枠を越えて自由に意見を表明し、スピーディーに動くという文化があるので、これを発展させていきたい。今後、二つの病院が統合された際にも、両病院の強みを持ち寄り、意見を言いやすい組織にしていきたいと思います」

 念頭に置いているのは、母校・大阪大学の第二内科でモットーとして掲げられていた「優しい医師、考える医師」。筒井氏は、ここに恩師の言葉「楽しめる医師」を加える。

 「論語に『これを知る者はこれを好む者に如(し)かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如(し)かず』という言葉があります。安心して発言できる環境で、自分の職域を楽しむことができれば、仕事の達成度アップにも、一人ひとりの患者さんに合った医療を考えていくことにもつながるのではないでしょうか」
 それぞれの前向きな力を束ねて、地域医療を支える大きな柱に育てていく。



市立伊丹病院
兵庫県伊丹市昆陽池1-100 ☎072-777-3773(代表)
http://www.hosp.itami.hyogo.jp/

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