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伝統を守りつつ 最良の医療を追求

伝統を守りつつ 最良の医療を追求

社会医療法人 製鉄記念八幡病院
古賀 徳之 病院長(こが・とくし)

1983年久留米大学医学部卒業、九州大学第二内科入局。
製鉄記念八幡病院循環器内科部長、同病院副病院長などを経て、2021年から現職。


明治時代からの長い歴史を持つ製鉄記念八幡病院。病院長となった古賀徳之氏は、伝統を守りつつ最先端の医療を推進し、高齢化が進む地域に合った医療体制を整えようとしている。

脳・心疾患やがん診療が強み

 製鉄記念八幡病院は1900年に官営八幡製鐵所の附属病院として設立され、120年以上にわたって地域に貢献してきた。2021年4月に就任した古賀氏は「伝統ある病院の名を汚さず、より発展させたい」と抱負を語る。具体的に見据えているのは、現在の強みをより伸ばすこと。中でも脳や心臓、腎臓の疾患、終末期を含めたがん診療に力を入れたいという。

 「例えば、心房細動に対する先端技術を駆使したカテーテル焼灼術や脳卒中に対する血栓回収療法などを行っています。これらは大きな特徴ですので、今後もさらに発展させたいですね」

 がん診療に関しては、 胃がん、大腸がんの内視鏡手術や乳がん治療を強みとし、高度な医療を推進している。「最終的には二つの分野を『日本トップレベル』と自信を持って言えるまで充実させることが目標」だと言う。

超高齢社会に対応 高齢者診療も柱に

 病院のある北九州市八幡東区は、65歳以上の高齢化率が36・2%(2021年3月31日現在)。市内にある区の中でも高くなっている。そこで、考えているのが、高齢者の診療も、病院運営の大きな柱に据えること。今後も高齢化が進むと予想される中で、病院として期待される大切な役割の一つになると見込んでいる。

 「高齢者は複数の疾患がある場合も多く、一つの病気が悪くなると他の病気も進行することがあります。当院には各領域の専門医がそろっており、包括的な診療体制を整えていますが、今後はさらに充実させる必要があるでしょう。高齢者の健康を守ることの重要性は今後、一層高まると考えています」

 地域の医療機関との連携にも注力する。地域医療連携室や医療相談室が中心となり、地域のクリニック、慢性期病院、介護施設などと協力関係を構築し、スムーズな患者の紹介・逆紹介、在宅移行を追求してきた。急性期の治療を終えた患者に対しては、院内の地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病棟を活用しながら、患者と後方支援施設にとって最適なタイミングでの退院を模索、調整している。


相手の気持ちを常に思って接する

 久留米大学卒業後、九州大学第二内科の高血圧・脈管研究室に所属し、30歳で現在の製鉄記念八幡病院へ赴任した。以降32年は臨床一筋。経営に携わるのは初めてだが、前病院長であり現理事長の土橋卓也氏という心強い存在がいる。

 「土橋先生は大学の研究室の3年先輩です。気心は知れていますし、忌憚(きたん)なく意見を言い合える関係だと思っています。先生に経営を指導していただきながら、同じ方向を見て進んでいきたいですね」

 組織を率いる立場となった今、心がけていることが三つある。まずは臨床の現場にいる職員の医療活動を円滑に、かつ安全に行えるようマネジメントすること。

 二つ目は、職員全員が高いモチベーションを持てるような環境をつくること。そして、三つ目に自身は「相手の気持ちを思いやる」ことだ。

 病院長となった今も、副院長時代から変わらず外来を担当。「職員はもちろん、患者やその家族、地域医療連携に関わる人たちに対しても、思いやりを持って接したい。それを大事にしたいですね」。臨床の第一線で患者と向き合い、職員に寄り添いながら、病院を前進させていく。



社会医療法人 製鉄記念八幡病院
北九州市八幡東区春の町1-1-1 ☎093-672-3176(代表)
https://www.ns.yawata-mhp.or.jp/

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