九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

慢性期医療に転換 ブランド力向上へ

慢性期医療に転換 ブランド力向上へ

小野田赤十字病院
佐藤 智充 病院長(さとう・ともみつ)

1996年川崎医科大学医学部卒業、山口大学医学部附属病院消化器・腫瘍外科入局。
市立八幡浜総合病院、山口大学医学部附属病院総合診療部助手、
小野田赤十字病院外科部長、同副院長などを経て、2021年から現職。


副院長を11年間務めたのち2021年4月、病院長に就任。「周囲の人々から寄せられる信頼と期待の総和こそが、当院の価値。さらに高めていきたい」と語る。理想とする病院実現へのロードマップを、どう描いていくのか。

需要と将来を鑑み 高齢者医療へシフト

 これまで段階的に医療機能の再編を進めてきたという小野田赤十字病院。「公的病院として急性期医療を担ってきたものの、地域の高齢化が急速に進み、そのニーズは減少。逆に慢性期医療や介護の需要は増加すするばかりでした」。急性期医療を維持するにはマンパワーが十分にないという実情もあった。「慢性期医療の質を高めることで、病院の価値を高める方向へかじを切ったのです」

 この2年ほどで再編は加速。2020年には残っていた一般急性期24床を全て地域包括ケア病床にシフトし計40床に。医療療養病床80床と合わせて120床体制とした。さらに、所長を兼任する併設の介護老人保健施設は、定員100人のうち60人を介護医療院に組み替える予定だ。

 「ようやく終盤です。この病床がある程度埋まれば、経営が改善できる試算です。高齢者医療、慢性期医療、介護で地域に貢献することが、私たちが生き残る道。患者さんが望む場所で、安心して過ごせる手助けをしていきたいと思っています」。地域包括ケアシステムの中核を担う病院となる─、それが今、思い描くビジョンだ。

MBA取得に向け 独学後、大学院へ

 実家はかつて土木業を営んでいた。「父親が起こした会社が、時代の波にのまれて倒産するまでの数十年、その栄枯盛衰を間近で見てきました」。経営に対して興味を持つきっかけになったと話す。

 副院長となり病院経営の実情を知ると、数々の疑問が湧き上がった。「もっと収益を改善する方法はないだろうか」。自分なりにひもときたいと、経営の勉強を開始した。

 赤十字本社の諸先輩に背中を押され、MBA取得に向け、2020年に大学院に入学した。「企業会計やファイナンスなど、新たな知識も身に付きました。現場との両立は大変ですが、充実しています」

 得た知見を運営にどう生かすか、これからが腕の見せどころだろう。足元の経営面においては、「1年、長くとも2年以内に黒字化を実現したい」と、計画を立てる。

5年後、もっと 成長している病院に

 「まずは職員が働いて楽しいと思える病院をつくる。それが全てのステークホルダーの満足につながっていくと思います。最終的に経営が好転するようなマネジメントができるよう、さらに努力していきます」と抱負を語る。

 だが現時点では、職員の満足度はまだ決して高いとは言えず、改善の余地があると話す。「若い人が希望を持って、伸び伸びと力を発揮できる環境に変えていかなければなりません。上に立つ人は、部下や後輩の話を聞くだけでなく、対策を打つところまでが仕事だと思ってほしい」

 そのためには、人的資源管理の重要性や有効性を一人でも多くの職員に理解してもらうことも、責務の一つ。自身が常に臨床の場にいるというアドバンテージを生かし、一人ひとりと直接、やりとりすることから始めたいと考える。

 看護師や理学療法士など、他の施設で働く同業者に「小野田赤十字病院で働きたい」と思ってもらえれば、最終的に患者に選ばれる病院になれると確信する。「5年後、今より成長している病院の姿が見たい。もっと多くの信頼と期待を獲得できるよう、地道に取り組んでいきたいと思います」



小野田赤十字病院
山口県山陽小野田市小野田3700 ☎0836ー88ー0221(代表)
http://www.onoda-redcross-hosp.jp/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram did not return a 200.

コメントはこちらから

[contact-form-7 404 "Not Found"]
メニューを閉じる