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病院をより機能的な組織に

病院をより機能的な組織に

公益財団法人日本生命済生会 日本生命病院
立花 功 院長(たちばな・いさお)

1986年大阪大学医学部卒業。
米ハーバード大学医学部ダナファーバーがん研究所、
大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫アレルギー内科学准教授、
日生病院(現:日本生命済生会日本生命病院)副院長兼総合内科部長などを経て、2021年から現職。

◎「済生利民」を掲げて

 これまで笠山宗正前院長の下、内科系副院長・総合内科部長として新病院移転に尽力してきました。新築移転し「日生病院」から改称した「日本生命病院」を、さらに発展させることが新院長である私の使命と考えています。

 当院の特長は簡単に言えば、社会貢献を目的とした「済生利民」という理念と、この理念の実践のために日本生命より大きな支援を得ていることだと思います。日本生命済生会は公益財団法人として認定、日本生命病院は地域医療支援病院として承認されています。今後も地域の皆さまの健康を守り、地域・社会に貢献し続けることができるよう、病院のかじ取り役を果たし、優れた職員の育成に努めたいと考えています。

◎働き方改革への対応

 医師に対しては 2024年4月から時間外労働の上限規制が適用されます。当院の病床に対する常勤医師の数は、診療科によってばらつきはあるものの全体としては多く、いわゆるA水準の範囲内で維持できると予想はしていますが、時間外労働短縮に向けた取り組みを進めています。

 20年12月より勤務管理をタイムカードによる紙運用から、セキュリティーカードを用いた電子運用に変更し、在院時間の客観的把握が可能になりました。それに伴い 36 協定の見直しも実施。今後は医師事務作業補助者や特定行為研修を修了した看護師へのタスク・シフティングも進めます。

◎「ピンチはチャンス」コロナに立ち向かう

 公的性格の強い民間病院として新型コロナにも強い使命感をもって対応しました。20 年2月より発熱患者の外来対応、3月より軽症・中等症病床として陽性患者の入院診療を開始し、大阪府下 6番目の感染者をまず受け入れました。その後、患者の増減に応じてコロナ専用病棟を稼働。専任スタッフを配置し、20年のうちで 219人の入院患者を受け入れました。

 この間、診療に支障を来すようなクラスターは出さず、またコロナ以外の通常医療も病床稼働率を大きく落とすことなく続けることができました。しかし今般の第4波では感染拡大のため重症患者を高度医療機関へ搬送することができなくなり、集中治療室もコロナ専用とするなど厳しい病床運営を強いられています。

 一方で、感染対策会議や内科部長会議が頻繁に開かれ、また外科医師がコロナ診療に参画するなど、これまでになく職員がまとまり、チームとなって新興感染症に立ち向かう気運が醸成されたと感じています。「ピンチはチャンス」と言われますが、コロナ禍を機に、組織としてのレジリエンスがより高まってくれたらと期待しています。

◎組織を率いる上で大切にしていること

 組織がいかに機能的に動くことができるか、スポーツに学ぶことは多いと日頃から感じています。スポーツは勝ち負けとして結果が出るので、正しい方向に向かっているかどうかがすぐに分かります。サッカーなどを見ると、監督の指示どおりにプレーすることしか許されない規律の厳しいチームと、自分で考えさせて思いどおりにプレーさせる自主性・主体性重視のチームに分かれていると思います。

 医療機関は勝負をする組織ではありませんが、結局は後者のようなやり方が、病院としても機能性に優るのではないかと考えています。サッカーでも、超一流のチームは個々の選手が自分で考えプレーしています。

 上からの指示を待つのではなく、常に自分で考え、状況に応じた判断のできる医療人が育たなければなりません。特に、若い人には、早く自立・自律するよう、自身の考えを述べ、ディスカッションできるよう促していきたい。また、彼らのアイデアをできる限り生かせる環境を整えていけたらと考えています。

公益財団法人日本生命済生会 日本生命病院
大阪市西区江之子島2-1-54
☎️06-6443-3446(代表)
https://www.nissay-hp.or.jp/

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