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回復期増床で 経営安定を実現

回復期増床で 経営安定を実現

一般社団法人福岡県社会保険医療協会 社会保険 仲原病院
大神 吉光 病院長(おおがみ・よしみつ)

1982年九州大学医学部卒業。独ライプチヒ大学、
福岡県立嘉穂病院(現:福岡県済生会飯塚嘉穂病院)、
社会保険仲原病院内科部長、同副院長などを経て、2021年から現職。


社会保険仲原病院は、2021年2月に経常収支を黒字に転換した。同年4月から経営のかじを取る病院長の大神吉光氏に回復の道筋、今後の見通しなどを語ってもらった。

急性期から回復期へ 黒字化を実現

 社会保険仲原病院が所属する福岡県社会保険医療協会は、2020年から、地域経済活性化支援機構(REVIC)などの協調支援を受けている。

 1950年設立の同協会は、病院併設がなされていない県内中小炭鉱に医療施設を開設。全ての炭鉱が閉山した70年代半ば以降は、一般病院として運営を継続したが、地域の人口減などへの対策が遅れ、厳しい経営環境が続いた。再生支援に伴い、REVICなどと連携して、診療体制の見直しを行っている。

 一般病床を圧縮して46床に、残りを地域包括ケア病床35床、および回復期リハビリテーション病床44床へ転換。リハビリのスタッフも3倍近く増員し、経営の軸足を回復期へ移行させつつある。「これにより収益が劇的に改善しました。特に回復期リハビリ病床は現在も全て埋まっており、黒字化の大きな要因になっています。当分の間、この方向で運営を継続し、経営の安定化を図りたいと思います」

経営の安定を 継続するために

 協会設立と同時に傘下の診療所として開設され、4年後に病院昇格。91年に建物を全面改築し、その後、九州大学医学部の臨床研修施設に指定された。

 大神氏は82年、同大学第三内科に入局し、膵臓や胆嚢を中心とする消化器内科、および糖尿病の専門医として実績を重ね2002年、内科医として赴任した。

 仲原病院は、外科と内科を両輪とする急性期病院として順調だったにもかかわらず、10年以降は経営悪化が顕著になる。脳卒中などの高度な医療を必要とする救急医療、難易度の高い手術が、設備が整った病院に流れてしまったことにあるという。「急患や手術件数はこの時期から目立って減少し始め、当院でも急患受け入れがほぼなくなり、手術件数が激減しました」

 しかし、地域の事情に原因を求めるのではなく、もっと経営的に努力できたのではないかと分析する。


内科の充実、連携強化

 今後の経営改善の大きな課題は、自身の専門でもある内科の収益回復だという。15年に開設した30床を有する透析センターには、隣接する福岡市から来院する患者が多く、現在も順調な運営が続いている。「1日1サイクルの透析の稼働率を、週3日2サイクルにできれば、経営にとって大きなプラスになります。その実現には専門医などのスタッフの確保が課題となっていますが、近い将来に実現したいと考えています」

 また、整形外科の拡充も欠かせない。地域住民の高齢化に伴い、整形外科のニーズは高まっており、専門医を派遣する大学病院との協力体制も整っている。

 今後は、福岡市に隣接しているという有利な立地を生かしつつ、黒字の継続に努める。その先には、30年経過した病院の建て替えを実現したいという思いがある。「新しい病院で、念願である内科での急性期医療を復活できればと思っています。安定化した経営基盤を再建の手掛かりにしていきたいと考えています」

 地域との病診連携やグループ全体の連携も、この後の改革に必要だと語る。「コロナ禍でつながりが薄れているので、今後は病診連携の強化に努めます。グループの病院は、地域はそれぞれ異なりますが、現在の再生支援を機に何か新しい連携が生まれるのではないかと期待しています」



一般社団法人福岡県社会保険医療協会 社会保険 仲原病院
福岡県志免町別府北2-12-1 ☎092-621-2802(代表)
http://nakabaru-hp.jp/

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