九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

院内外で密に情報共有 ニューノーマルに対応

院内外で密に情報共有 ニューノーマルに対応

独立行政法人 国立病院機構
吉住 秀之 院長(よしずみ・ひでゆき)

1986年九州大学医学部卒業。
国立病院機構九州医療センター内科医長、同センター医療情報管理センター総務部長、
都城医療センター副院長などを経て、2020年から現職。

 地域がん診療連携拠点病院である都城医療センター。吉住秀之院長は2020年の就任以来、地域医療の充実を目指して院内外でコミュニケーションや情報共有の強化を図ってきた。これまでの多様な取り組みについて聞いた。

─コミュニケーションで心掛けていることは。

 患者さんにがん医療を提供し、地域の診療の協力体制を整備することが、地域がん診療連携拠点病院である当院の大きな役割です。その実現のためには、患者さんはもちろん、地域の医療機関、院内での緊密なコミュニケーションが欠かせません。
 紹介元のかかりつけ医に対しては、情報提供の密度を高くするように心掛けています。例えば、どのような手術をしたのかという情報だけではなく、当院で処方する薬を変更した経緯や、手術から内科的な治療に切り替えた理由などを情報提供するようにしています。
 また当初予定していなかった転科、転院などがあれば、地域医療連携室を通じて、随時情報発信するよう努めています。かかりつけ医の立場であれば、すぐに知っておきたい情報だと考えるからです。
 患者さんに対するコミュニケーションも同様です。患者さんの中にはがんが進行し、終末期医療にシフトせざるを得ない場合もあります。そうした患者さんに対してどのような治療を希望するか、あるいは希望しないか、丁寧にコミュニケーションを取って終末期のプランニングをします。家族の同意を得るプロセスについては、診療科にかかわらず形式を統一する方向性で進めています。
 患者さんの最期のケアには、チームとして業務を分担しながら関わっています。これまでのように1人の主治医が昼夜を問わず対応しなければならないという問題も解消でき、働き方改革にもつながるのではないかと考えています。

─診療力を上げるために取り組んでいることは。

 各診療科の電子カルテを月1回抽出して改善点を検討する会合を開いています。治療内容の説明、途中経過、看護記録などが適切に残されているかを監査するのが目的で、メンバーは固定せずに複数の診療科から集めています。

 複数の診療科、多職種が監査に関わることによって、自分が所属する診療科と比較した改善を検討できる利点があります。多くの人の目に触れることで、院内全体の診療力の向上につながることも期待しています。

 監査は、死亡診断書も対象にしています。適正に死亡原因を選択しているか、記載に誤りはないか。より適正な病名の選択があれば医師にフィードバックします。特にコロナ禍の時期のデータは今後の重要な資料になるので、意識して取り組んでいます。

 新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、「ニューノーマル」への対応もしています。インターネット環境を改善し、アクセスポイントを増やすなどして、ウェブ上で学会や会議に参加できるようにしました。

─今後の展望は。

当院は周産期医療にも力を入れています。新生児の集中治療などに対応し、県西地域の周産期医療を支える役割を担っています。

 周産期医療を充実させる上で最も大切なのは、1次医療機関の先生たちと日頃からコミュニケーションを図ることだと考えています。患者さんに異常があった際にすぐに相談に乗れる体制を構築しており、即効性が高い医療が提供できていると思っています。

 当院には胎児の心拍数をモニタリングできる機器などもあり、文字情報だけではない情報共有ができているのは強みの一つだと思っています。今後も引き続き他の医療機関との絆を強めて、周産期医療を充実させていきます。


独立行政法人 国立病院機構 都城医療センター
宮崎県都城市祝吉町5033─1
☎0986─23─4111(代表)
https://miyakonojo.hosp.go.jp/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram did not return a 200.

コメントはこちらから

[contact-form-7 404 "Not Found"]
メニューを閉じる