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さまざまな境界超え 「つぶせない病院」に

さまざまな境界超え 「つぶせない病院」に

三豊総合病院
山田 大介 院長(やまだ・だいすけ)

1983年久留米大学医学部卒業、九州大学第二内科入局。
製鉄記念八幡病院循環器内科部長、同病院副病院長などを経て、2021年から現職。


香川県の西端に位置する三豊総合病院は、462床の規模を誇り、香川以外の四国3県からも患者を受け入れている。4月に就任した山田大介院長に、さまざまな「境界線」を超えて目指す病院像について聞いた。

急性期、慢性期 双方のバランス重視

 三豊総合病院は、愛媛、徳島、高知の3県に近いという特殊な地理的環境下にある。設置主体である香川県観音寺市、三豊市の住民の急性期、慢性期をカバーする傍ら、県境をまたいで急性期の患者を受け入れることも多い。

 少子高齢化が深刻な地域。「今までと同じことをやっていてはいけない。伝統を守りつつも、将来を見据えて病院が生き残っていくためのことをしていきます」と力を込める。

 目指すのは、急性期、慢性期のバランスが取れた病院運営。病院の機能や、医療機器などの設備面を維持するためにも、急性期については、診療圏の拡大を図る。

 新型コロナウイルス感染症への対応では、都道府県単位のくくりが障壁となった。同院のある観音寺市と隣接する愛媛県四国中央市で発熱した患者がいても、コロナの疑いがあるため、距離は近いにもかかわらず受け入れることができなかった。「大きな壁」を感じ、急性期の診療圏を拡大するためにも、コロナ禍の教訓を含めて医療圏の再考に関する議論が進むことを期待している。

 急性期だけでなく、健診も充実を図る。健康管理センターの改築に着手し、現行の同センターがある場所に4階建ての新棟を建設し、2台のMRIや放射線治療装置などを配置する予定だ。設計図は既に仕上がっており、2023年の完成を目指している。

国際学会参加促す 論文作成も支援

 バランスの取れた診療のために欠かせないのが、人材確保だ。医師を定着させるため、手厚いサポートを施している。国内外の学会に積極的に参加するように促し、発表者となる場合は、出張費を同院が負担する。

 英語論文の作成も病院としてバックアップする体制を取っており、ネイティブ講師によるチェックを受けることも可能。講師を週1回院内に招き、英会話講座も開く。コロナ禍の今は、テレビ会議システムで継続。著名な医師を海外から招聘(しょうへい)して勉強会を開くこともあり、言語の壁を超えられるように支援し、地方からグローバルな人材を育成する。

 研修医のうちからさまざまな症例に関わることができるのも、人材確保の面で大きなアピールポイントだと捉えている。

密な連携を意識 他機関と共存共栄

 「病診の境界線」も取り払う。「当院が生き残っていくためには、地域の先生方や医師会との連携が欠かせません。顔が見える関係の構築を続けていきます」

 30歳ごろに泌尿器科医として勤務していた広島県の尾道市立市民病院で、集患の方法に頭を悩ませていた時期があった。当時の副院長に「患者さんを増やすには、こまめに紹介状の返事を書くしかない」と教えられ、それ以来、実践してきた。

 「患者さんを紹介していただいた先生方には、きちんと、『これでもか』というくらいの返事を書くことが大事。これは今でも王道だと思っています」。地道な努力を積み重ねていくことで、地域の医療機関との垣根もなくしていく。

 数々の壁や境界線を超えた先に見据える病院像とは何か。「国や地域が求める医療をしっかりと見極め、応えていくことで、つぶれない病院ではなく、『つぶせない病院』になることが一番大切。近隣の医療機関とも良好な関係を持ちながら、目指していきます」



三豊総合病院
香川県観音寺市豊浜町姫浜708 ☎0875-52-3366(代表)
http://mitoyo-hosp.jp/

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