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地域でワンチームに 舞鶴の医療を守る

地域でワンチームに 舞鶴の医療を守る

舞鶴赤十字病院
片山 義敬 院長(かたやま・よしたか)

1982年自治医科大学医学部卒業。
国立舞鶴病院(現:独立行政法人国立病院機構舞鶴医療センター)、
、舞鶴赤十字病院副院長などを経て、2021年から現職。


整形外科部長として入職後、計25年を舞鶴赤十字病院と共に歩んできた片山義敬氏。2021年4月、院長に就任した。医療機能の分担と連携が進む京都府舞鶴市全体の将来を見据えながら、組織を率いていく。

4院で機能分担 整形とリハを充実

 京都府北部の舞鶴市、福知山市、綾部市で構成される中丹地域。中でも公的病院が四つ並存する舞鶴市では、「中丹地域医療再生計画」に沿って病床数の調整が進む。医療機能の「選択と集中」、「分担と連携」によって舞鶴市の地域医療再生を目指し、同計画に基づいて2016年に各病院のハード面の整備が完了した。

 「『4施設で地域の一つの病院』として機能させる取り組みで、リハビリテーション部門が充実していた当院では回復期機能を強化しました」。訓練室と回復期リハビリテーション病棟(48床)を備える新病棟を建て、本館には地域包括ケア病棟(50床)を設置した。

 強みを生かし、急性期で来院した患者の術後を予測して早期にリハビリの計画を立て、在宅復帰までをトータルに支援する。急性期から在宅まで、主治医が一貫して診療する体制も強みだと捉えている。

「舞鶴の医師」市全体で確保を

 再生計画に伴い、他の三つの公的病院も役割を強化した。舞鶴医療センターは脳卒中や周産期、舞鶴共済病院は循環器系をより充実させた。

 舞鶴赤十字病院の隣に移転した市立舞鶴市民病院は、慢性期医療へかじを切った。両院は廊下で建物がつながっており、病院食は舞鶴赤十字病院が一括して調理し、市民病院の入院患者の検査を舞鶴赤十字病院が担うなど、病病連携が進む。

 地域の課題は、医師の偏在をどう解消していくかだ。「急性期病院が市内に複数あると、大学は医師を派遣しにくい面があるかもしれません。将来的には、『舞鶴全体を診る医師』として人材を確保できたらベストだと考えています」

 その足掛かりとなりそうなのが、21年4月から市内で始まった麻酔科医の確保に関する取り組み。舞鶴地域麻酔診療支援センター(仮称)を設置し、麻酔科医が複数の病院で勤務できる仕組みをつくるという京都府の施策だ。

 「この取り組みをたたき台にして、他科でも応用していけたらと思っています。経営母体が異なるので一筋縄にはいきませんが、自分たちの病院だけでなく、どうすれば市民のメリットになるのかを考えながら進めていきます」

育ててもらった恩 還元したい

 院長となった今、大事にしたいのは、「耳の痛いことを言ってくれる人」の存在という。「遠ざけてしまえば同じような考えの人だけになり、多様性がなくなってしまう。気付かされることも多くあります」と語る。

 立場で異なる見識の違いにも留意する。「よくある合併症でも、事務スタッフからは『そんなことが起こるのですか』と驚かれることがあります。患者さんは、なおさら不安でしょう」

 高校時代に腰痛を発症し、運動できずに痛みや不安に悩まされる日々を過ごした。その経験が、整形外科医に至る道の出発点となった。

 医師になってしばらくは、規模の小さな病院に赴任することが続いた。力量不足は、工夫でカバーするしかない。院外でのつながりをつくって技術を身に付けようと、隣町の開業医の先輩を頼ったり、地域の医療機関と連携して患者の治療を行ったり。「住民の方々や近隣の先生方に育ててもらったようなもの。一人では成し遂げられませんでした」

 そのときに受けた恩は、今も原動力の一つ。少しでも還元したいという思いで、仕事に向き合っている。



舞鶴赤十字病院
京都府舞鶴市倉谷427 ☎0773-75-4175(代表)
https://maizuru.jrc.or.jp/

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